朝食時にあなたの口から聞いてそれはそれは驚いた。
最終日にキスシーンってなに?
監督鬼なの?
涼太君が俺の顔色察したらしい。
俺にとっては胸糞悪い会話だった。
でも、亜嵐君とあなたが仲睦まじそうに出て行く背中を見るのがこれで最後ならマシな気がした。
そして、16時。
龍友君が2人のクランクインをお祝いするって料理を作り始めた。
16時半。
17時。
17時半。
18時。
皆、なかなか帰ってこない亜嵐君とあなたを少しずつ心配し始める。
18時半。
プルプルプル。
家の電話が響いた。
そう言い出た瞬間耳を突き刺すような声で、
これだけ告げて一方的に電話をきる亜嵐君。
結局待つことにした。
そしてまた1時間後ぐらいに亜嵐君からの電話があった。
『あなたの母が急死した』
と。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。