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第1話

”ウリ“・ゲラー
18
2023/08/19 11:29
※デビュー直後の話

※正式な宿舎が決まってなかったため、男性陣は共同生活









 台所を一旦出て食卓を見ると、其処にあるのは夥しい数の「芸術作品」。あるもの螺旋を描き、あるものは波打って、あるものはチョゴリのオッコルムのように結ばれている。
填環(ジョンファン)
…………
 綺麗なデザインしてるだろ?全部鉄匙スッカラなんだぜ、これ──そんな巫山戯たフレーズを脳裏に浮かべつつ、僕は白目でスッカラをこんな状態にした張本人の方に頭を向けた。
填環(ジョンファン)
…………テベガ?
 僕が張本人の名前を呼ぶと、本日の配膳係だった彼──テベクはこっちを向いて、半泣きで侘びた。
太白(テベク)
すみません、ジョンファ二ヒョン…僕、今日は『駄目な日』みたいです…
 魅惑八星隊一のイケメンメンバー・テベクは、事実上の「超能力者」だ。今みたいにスッカラは勿論、鉄箸チョッカラ も触れただけで飴のように曲げるし、時には電子機器を狂わせたり故障させたりすることが出来る。

 ただ、時々その力を上手くコントロール出来ない日があるのだ。そういう日は自分の意志に関係無く突然力が発動してしまい、容易に物を触るのが難しい。
填環(ジョンファン)
っていうか、事前に古いカトラリーで『テスト』して、力が勝手に発動するようなら当分モノは触るなって、前に言った筈でしょ?
何で今日に限ってスッカラがこんなんになってるわけ?
太白(テベク)
ごめんなさい…『テスト』、うっかりやるの忘れてました…
填環(ジョンファン)
ったくも〜…また買い直ししなきゃ
いけないじゃんかぁ…
熒赫(ヒョンヒョク)
お、テーブルの上、ド派手じゃ〜ん!
 腹を空かせていると思しきヒョンヒョクが、リビングに入るや否や、関心したようにテベクの曲げたスプーンを見やる。そしてその内の一つを手に取り、こんなことを言った。
熒赫(ヒョンヒョク)
テベガは相変わらず天才だよなぁ!もしかしたらユリ・ゲラーや、それこそサイババより凄いんじゃねぇの?
太白(テベク)
褒められても全然嬉しくないですよ、ヒョンヒョギヒョン…今日みたいにスッカラを使えなくするような…そんな迷惑を掛けることが大半ですから
熒赫(ヒョンヒョク)
じゃあさ、俺達がデビューしたら、一種の作品としてボンゲジャンド(※)で売ればよくね?お前のサイン入りで。そしたらペンが買い漁って金儲け出来て万々歳じゃん!
※…韓国版メルカリ 
太白(テベク)
厭ですよ!僕、自分の変な力については、
家族とメンバー以外には公表してないのに!
填環(ジョンファン)
…取り敢えず君ら二人共、話す暇があるんならメンバー分の新しいスッカラ、ホームセンターで買ってきてくんない?あ、お代はテベガの自腹ね?


《fin.》

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