第16話

# HBD to ごじょーさとる❕❕❕②
5,115
2021/12/11 05:00































































___五条は柄にもなく焦っていた。



こんなに焦るのは傑が呪詛師になりそうだった時以来だ、と。



それほどまでに五条は焦っていた。





___呪術高専に"あなた"という名の子は居ないはずだけど…______









_____…知りませんけど…?______








先程の3人の声が脳裏をよぎる。



それを振り払うように頭をブフォンブフォン()し、たどり着いたのは医務室。



五条は勢いよくドアを開けた。



五条「しょーこぉぉおおおおお!!!!!!」



家入「なに。うっさい」



そう。



五条は家入にも確かめに来た。



"あなた"の存在を確かめに。



五条「お願い硝子…今から僕が聞くことに嘘つかないで…」



家入「? 分かった」



不思議そうに首を傾げた家入。



五条「硝子は…あなた…あなたの名字あなた、知ってる.........よね…?」



半ば懇願するように尋ねる五条。



お願い、お願いだから覚えてて…と心の中で祈る。



.........が、そんな五条の祈りは儚く散った。



家入「…そんな子いないし知らないけど」



頭大丈夫か?と家入からデコピンを食らう。



五条はもう放心状態に陥った。



五条「なんで!?本当に知らねぇのかよ硝子!!!嘘ついてんじゃねぇぞ!!!」



家入「はぁ?お前、昔の口調に戻ってんぞ」



五条は思わず高専の頃の口調に戻るほど取り乱していた。



五条「なぁホントに知らねーの!?呪術高専1年のあなたの名字あなた!女!!!」



家入「うるせぇ五条。少し落ち着け」



家入が少し引き気味で五条を落ち着かせようとする。



しかし五条が落ち着くこと無かった。



家入はすぐさま夏油に電話をかけた。



夏油«ああ…悟だね。分かった、今向かうよ»



家入が何も言わずとも五条の事だと察した夏油はすぐさま医務室に駆けつけた。



家入「こいつ、遂に頭逝ったか?」



夏油「さぁ…?朝からこうなんだよ。せっかくの誕生日なのに…」



哀れみの目を向ける2人。



五条はそこでふと思い立った。



五条「…2年生組なら知ってるんじゃ…?」



2年生組もあなたとは仲良しで、よくみんなで談笑する姿を五条は何度も見て(監視して)いた。



善は急げ。五条は(無駄に)長い足をフル活用して2年の教室へと向かった。



家入「.........…」



夏油「悟........…」




*****




***










五条「パンダァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



パンダ「えっ何」



狗巻「たかなー?」



突如現れた五条に一同は首をかしげる。



真希「なんだよ悟。珍しく焦ってんの?」



五条「あなたの名字あなたって知ってるでしょ?!?!?」



真希「は?」



やや前のめりになりながら五条が問う。



パンダ「.........悟、寝不足か?1分3000円で俺の腹貸してやるよ。あったけーぞ」



五条「腹なんかどーでもいいんだよ!あなたは!!!???」



パンダ「なんかちょっとショック」



真希「.........あなた、つーのが呪術師だか一般人だか知らねーけどそんな名前聞いたことないぞ」



狗巻「しゃけしゃけ」



狗巻がこくこくと頷く。



パンダ「いつの時の卒業生だよ」



五条「卒業生じゃないんだって!!!在校生!!!!!!呪術高専1年!!!!!!」



五条の必死の訴えに3人はますます顔を顰める。



狗巻「おかか」



パンダ「あぁ。棘の言う通りそんな子いないぞ」



真希「京都校の方か?」



五条「違う!!!東京校!!!」



パンダ「えぇ〜…」



パンダが眉を顰める(可愛い)



パンダ「憂太とか知ってんじゃね?あいつ顔広いし」



真希「憂太もダメなら由紀さんとかにも聞いてみろよ。絶対知らないって言うから」



狗巻「しゃけしゃけ。つなまよ~」



五条は3人の声を聞いて慌ててスマホを取りだし、乙骨へ連絡をした。



Prrrrrrrrrrr.........



乙骨«は、はい乙骨です…五条先生?»



五条「ゆ"う"た"ァ".........」



乙骨«あれ?里香ちゃん?»
(※違います)



あの乙骨が思わず里香ちゃんかと思うほど怨念の込められた声。



遠くで本物の里香ちゃんが動いた(気がした)。



五条「ゆ、憂太は.........憂太は、あなたのこと…知ってるよね…?」



乙骨«ん?え…?す、すみません…僕の知り合いにはいないと思い…ます…»



電話越しにも伝わる五条の圧に、乙骨は思わず語尾が萎んだ。



五条「もうやだァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜.........………」



乙骨«えぇ.........»



真希「悟うるせー」



狗巻「おかか~」



乙骨«あの…すみません、今ミゲルさんと任務中で…もういいですか…?»



五条「ううううんんんんんん( ; ; )」



乙骨は光の速さで切った。



五条の心にまたダメージが加わった。



五条「ええええい次だ次ィ!」



Prrrrrrrrrrr.........…



九十九«はーいしもしもー?由紀でーす…ってあれ?五条くんじゃん»



どったのー?と九十九が明るい声で五条に尋ねる。



五条「ゆ"き"さ"ん"は"し"っ"て"ま"す"よ"ね"」



九十九«ん?何を?»



五条「ぐすっ…あなたあなたの名字っていう…ぐすぐすっ…呪術師…ぐすぐすぐすぐすしくしくえーんえーん」



パンダ「狂いすぎて苗字と名前が逆になってやがる」



狗巻「しゃけ.........」



パンダと狗巻が何度目かの哀れみの目を向けた。



九十九«…あなた、呪術師………か»



知らないな、と九十九は言った。



五条「はーーーもう無理病んだ」



五条はスマホを投げ捨ててその場に座り込んでブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツ呟き出した。



そこで九十九は五条に一言、アドバイスをした。






九十九«人間が知らないなら、呪霊や呪詛師なら知ってるんじゃない?»
























































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