~智洋’s side~
結局、一回熱を吐き出しただけでは、俺の昂りはおさまらなくて
あなたは初めてやったっていうのにもう1度、その身体を抱いていた
…無理させたよな
疲れ果てて眠っている寝顔を見て反省する
…あなたは何時の新幹線で帰るつもりやったんやろか
俺は今日と明日は休みだから、のんびりでもええんだけど
そもそもあなたに会いたくて、早めに帰るつもりやったしな
半分寝ぼけた様子のまま、布団の隙間から顔を覗かせる
髪を撫でると、うっとりしたように目を閉じる
…そっかぁ、頭の中でいろいろ考えるんやけど
…そうやろな、あれだけ無理させたんやし
何とかしてやらな、俺のせいなんやから
まだ外は暗いから、もう少し寝たくて
布団にくるまっとるあなたの横に滑り込む
あなたを抱きしめてると、すぐに睡魔がやってきた
幸せな気持ちのまま、眠りについた
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。