第24話

電車(タイトル適当)
127
2022/01/07 02:46
気がついたら寝ていたらしい
太陽が昇ってまぶしい
眠たい目を開けて立ちあがろうとしたけど、
結衣
結衣
立ち上がれない
一瞬、金縛りかと思ったがどうやら違うらしい
うつ伏せになった私の上に葉月がいた
でもあまり重いとは思わず、逆に軽いと思った
病気だからだろうか
薬を飲んだら気持ち悪くなるって言ってたから
ご飯があまり食べられないのだろう
背中の上の存在が痛ましい
葉月
葉月
うぅ…
あ、起きた
上でもぞもぞと動いている
あったかい
葉月
葉月
んっ
葉月
葉月
あ"ーごめん!!!
超特急で葉月が降りた
私はゆっくりと起き上がると葉月の方を見た
葉月
葉月
結衣のほうが小さいから潰れる!
結衣
結衣
地味に酷いこと言うね
葉月
葉月
あっはは
葉月は私の隣に座った
田んぼがたくさんある
遠くに人影もちらほら見える
お腹すいたな
昨日から何も食べてないもんな
あ、朝だから当たり前か
葉月
葉月
…もうちょっと頑張ったら?告白
葉月からそう言われた
深呼吸をして目を瞑った
浮かぶのは先輩の笑顔だけ
結衣
結衣
…病院行ったら?
葉月
葉月
そうだね、頑張る
葉月も頑張るんだ
私も頑張らないと
先輩に見てもらうために
先輩に好かれるために
葉月
葉月
じゃあ、帰ろっか
結衣
結衣
うん
葉月
葉月
あーお腹すいた!
私たちは朝焼けの中、電車を待った
静かに電車がやってきて、私たちは進むべき道へ向かった
大丈夫
私なら大丈夫
葉月の目を見て神なら大丈夫と、念を送った
葉月はそれに気づいたのか、ニコッと笑った
少し安心して私は微笑んだ
結衣
結衣
大丈夫
葉月
葉月
うん

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