その次の次の次の日。私はいつも通り仕事に出かけた。
でも、岡田さんの姿はない。病休だと言う。
主人公の心の声。
(岡田さん、大丈夫かな?)
そう思うと心配で仕事が手につかなかった。
長野)○○どうしたんだよ?うん?
主人公)いや、ほんとになんでもないですから…
長野)あ。もしかして岡田に恋しちゃってるんじゃ…
主人公)そんなことないですよ!
長野)そうか…悪かったな…
長野課長の心の声。
(間違えてないと思うんだけどなあ。)
主人公の心の声
(なんで長野課長わかっちゃうかなあ。そんなに私、表にそういう感じが出てるのかなあ。でも、岡田さんのことが好きなのは本当だし。仕事終わったら、岡田さんの家に行ってみようかな。)そう考えていると…
長野)ほら。岡田の家の鍵。心配で仕方ないんだろ?
俺に行ってこいって言われたってことにして行ってこい。
主人公)はい。わかりました。
課長に言われて様子を見にいくだけ。そう思っても、1歩を踏み出せなかった。
胸の鼓動が早くなり、足がすくむ。怖いわけではなく、私は間違えなく、岡田さんに恋愛感情《れんあいかんじょう》を抱いていた。
意を決して、岡田さんの家へ向かう。
岡田さんの家へ着く。
[ピンポン]チャイムを押す。
岡田)おう。○○か。まあ。上がれよ。ゴホゴホ。
岡田さんは、明らかに辛そうだった。
大丈夫じゃないことがわかるため、なんて声をかけたらいいかわからなかった。
心配そうな目で岡田さんを見つめる主人公。
岡田)悪い。○○そこにある水とってくれないか?
主人公)あ。はい。どうぞ。
水を手渡すと、岡田さんは美味しそうに飲んだ
岡田)はぁはぁはぁ。
熱のせいで呼吸も苦しそうだ。
主人公)熱、計りました?
岡田)いまさっき測ったら、39.5度だって。
参っちゃうよ。はぁはぁはぁ。
私は岡田さんのことが心配になり、そこから離れられなくなった。会社には早退の旨を伝え、岡田さんに寄り添いつづけた。
いつもの岡田さんとはほど遠い辛そうな表情。
呼吸をするだけでも辛そうだ。
岡田)はぁ。なんで、俺にこんなことまでする?
主人公)あの…実は…
言ってしまおうかと思ったけど言えなかった。
主人公)同僚としてあたりまえじゃないですか。このくらい。
岡田)そうか。俺はおまえを違う目で見てるのに。俺はおまえにとってただの同僚か…
岡田さんがボソッとそうつぶやいた。
岡田)こんな時に言うことじゃないと思うんだけど…
主人公)あ。はい。
岡田)俺な。○○のことが好きみたいなんだよな。
もしよかったら付き合ってくれたりしないかな?
主人公の心の声。
(これは、岡田さんからの告白と受け取っていいんだよね?そうだよね。)
岡田)いやだった?いやなら断ってくれて大丈夫だから。
主人公)いや、あの急だったので戸惑って
しまったんです。
岡田)そうだったんだ。ごめんね。
急にそんなこと言って。
主人公)大丈夫です。あの、岡田さん。
岡田)どうしたの?
主人公)こんな私でも良ければよろしくお願いします
岡田)俺は○○じゃないとダメなんだ。
自分の体温が一気に上がっていくのがわかった。
主人公)ありがとうございます!
入社してから2週間ずっとしていた片想いが両想いになった瞬間だった…。
続く…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!