色彩side
ふと聞こえた声の方向に顔を向けると
人が居た……
いや……
もう声だけで分かったていた……
ずっと会いたかった……
ずっと探して居た人……
少し困った様な声色で
そう言った
その声が聞こえてからか
聞こえると同時になのかは
今となってはどうでもいい。
あなたのニックネーム君に会えた。
それだけでいい
高校生になろうと言う女が
公園で泣き叫んでるのは少々痛いが
そんなもの気にしてる暇なんて無かった。
大声で泣き叫び
あなたのニックネーム君に馬鹿と言いながら
ハグをした
そんな私をあなたのニックネーム君はぎこち無い手つきで
撫で続けた……
私が落ち着くまでずっと……
あなたside
声を掛けた人物が分かったのだろう
色彩の問いかけに答えたら泣きながら走ってきた
俺を目指して一直線に……
公園で人目もあるのに
色彩は大声で泣き続けた
バカとも言われた
そう言われてもしょうが無いのだろうけど……
俺に抱き着いて泣く色彩にどうして良いか分からなかった……
こう言うのは慣れてない。
だから、俺が幼い頃母さんに撫でて貰った様に
優しく色彩を撫でた
泣き止むまでずっと……
悲しい顔しないで……
例え俺がヒーローに慣れなくても、
色彩の事ちゃんと見てるから……
いる所が違っても……俺はお前を応援してる……
あぁ。
どうしてそこまで真っ直ぐになれるんだ
どうしてそこまで真剣なんだよ……
俺はこんなにも……
汚れているのに_______________
この質問に色彩が息を飲むのが分かった。
自分の親を殺した奴と一緒にヒーローを目指したいとは思わないだろう。
俺は酷い奴だと我ながら思う
こういうことでしか突き放す事が出来ないのだから
じゃあなんで誘うんだよ……
優しくなんか無いさ……
自己満足だよ……
色彩は悪くない……
悪いのはあの親だろ?
そう約束をして、俺達は別れた……
1週間後のこの時間
それで色彩と会うのは最後だ……
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。