第77話

後悔と懺悔
5,826
2021/01/14 12:00
碧翔_side



今から10年も前……










いや、そんなに経ってないか……?










俺は家族を2人亡くした










1人は、俺の憧れで大好きな母さんをずっと守ってきた姉










もう1人は、俺が幼い頃に家から追い出した弟










姉は弟によって殺され










そして、弟は俺が殺した










俺がもう少し、大人だったら、










こんな悲劇を産まずに済んだのだろう……










後悔しても










どれだけ願っても










時は戻らない










俺に出来るのは、二度と同じ事を繰り返さない事










一生この思いを背負って生きていく事だけだ










今日は、弟、あなたの月命日の日。










あなたの事を誰よりも早く知っていた緑谷達は毎度俺に付き合ってくれる










俺は良い仲間を持ったと毎回思わされる。










過去にこんな事が無かったら










今頃あなたも一緒にヒーロー活動をしていたのだろうか……










そんな明るい未来を潰したのは紛れも無く過去の俺だ……










もう一度、










願いが叶うなら










やり直したい










初めから、全部_______________










あなた_side




墓の名前を見た時俺は息の仕方を忘れた。










何故碧翔兄さん達が敵であり










罪を犯した俺の墓に来ているのか










どうして










碧翔兄さんは泣いているのか










不思議で仕方が無かった……










俺はてっきり羽衣姉さんの為に来ているのだと思っていた










でもそれは違ったらしい。










手を合わせる皆が俺の名前を呟くから










俺の墓に向かって何かを話すから










此処は俺の墓なんだと思わさせる










俺がどれだけの人を殺し










傷付けたのかを忘れたのかと問いたい位だった










全員やり終わったのだろう










緑谷出久
緑谷出久
行こうか……








そう呟く出久君は































泣いてた_______________




















俺は死んでもなお、










人を苦しめ続けるのだろうな……










俺はふと思った……










弔達はどうなったのか_______________と










俺を救ってくれ










一緒の時を過ごした弔達の行方を知りたかった










でも、きっと、場所は刑務所なのだろうと思った










俺は死んでいるから刑務所には入らなかったが










弔達はまだ刑務所の中だと考えると胸が痛い










あぁ、










俺は










何処まで行っても










出来損ないなのだろう










罪を償わず










「死」という形で逃げた俺は































新しい未来を歩む資格等無い_______________










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