キュッ 、 キュッ …
振付師さんやスタッフさんも休憩で ルームから出ていき、
残ったのは 私一人。
努力してる姿って 、案外見られたくないもん。
だって、天才って思われたいから。
練習してるとこ見られてたら、
あんなに努力してたもんね。流石ってなるけど、
隠れて努力してたら、才能あるって思われるから。
だからこそ、今がチャンス。
そう思って、
鏡越しの自分を見ながら、一つ一つ確認していく。
『っ、…だから違う、こうじゃないのに…』
納得のいくダンスが踊れない事に、
ただ腹が立って。
でもその分、廉くん達に認められるように頑張りたい気持ちも強くて。
メンバーが見てることすら気づかずに、
しばらくダンスを練習していたんだ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!