明日、私達は少クラ初出演する。
そこで踊る曲の披露にむけて、
今日は、1日ぶっ通しでダンスレッスン。
そして なにわ皇子男子組 ←
やっぱり私とは、必要最低限な会話以外、喋ってくれない。
そりゃ、まだ認められてないよね。
私は、女子。
きっと周りからは、ちゃんとついてきてくれるかって心配されるんだと思う。
でもみんなの足を引っ張ることは、絶対にしたくない。
限界までがんばるって、自分では決めてるのに。
行動に移さなきゃ、意味が無い。
このまんまじゃ、他のジャニーズさんにも迷惑かける。
仲のいいユニットでいるために、
私が変わらなきゃ。
振付師さんにならんで、
一つ一つ、確実にダンスを覚えていく。
勿論、1年間だけじゃダンスがしっかり身についた訳でもない。
廉くんと大吾くんは、ずっと才能ありありで。
いつも置いてかれる。
でも、少しずつだけど、近づけてる気がして。
前には、振付師さんに、褒められたんだ。
諦めたらもったいないよ。そう思って。
振付師さん「流星くんさすが!」
流星くんを見れば、
『っ、………』
さっき覚えたはずのダンスを、キレキレに完璧に踊れてて。
プチッ …
何かが切れた。
負けたくない。
年下なんかに負けるもんか。
やってやる。
絶対やってやる…っ 。
振付師さん「お、あなたちゃんいいじゃん
前言ったことも直ってるよ!」
『ほんとですか 、 っ 』
こんなの大したことない。
全然だめ。
流星くんも、廉くんも、大吾くんも、
みんなもっとすごい。
それに比べて私は、全然満足いくダンスができてない。
スタッフ「1回休憩ー 。15分後に再開ね」
大吾「はーい」
廉「大吾、流星、コンビニついてきてや」
流星「ええですよっ!」
私はついていけない。
やっぱり、嫌われてるのか、壁が確実にある。
いや、そんなこと言ってる前に、
『すいません、
あの、さっきのとこもう1回お願いします!』
振付師さん「うん、まずここからで ……」
例え11歳でも、
流星くんみたいに、歳なんか関係ない。
もっと頑張りたいって思うから。
ここで諦める訳には、いかないんだ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。