轟side
緑谷の家族。
そして行方不明の。
ニュースで、そしてUSJでも見た気がする。
よく覚えてる。綺麗だったから。
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あなたside
そう言って紅白君が僕の手を引っ張る。
力が...強い。
あわあわしていると、急に手が楽になる。
そういえば僕、誘拐されてるんだった。
どうしよどうしよどうしよ...
疑ってるよぉ...。
するといきなり伏黒さんがハグをしてくる。
2人は何か言い合いながら歩いていく。
それがなんだか切なくて。
でも僕が選んだ道だから仕方なくて...。
''いや、全く知らねぇ''
勝己の声が頭の中でこだまする。
頭をグリグリしてくる伏黒さん。
それ以上は何も喋らなかった。
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爆豪side
あなたとはもう会えない。
その確信が崩れたのは以外にもすぐだった。
それを聞いた瞬間、体が固まった。
すぐに会いたい。
会って、抱きしめて、俺だけを見てて欲しい。
1歩踏み出した瞬間。
知らないつんつん頭のやつと抱き合うあなた。
なにもかもが、吹っ切れた。
だから俺がすべきことは...
全て縁を切る事だ。
あなたが望むなら。
轟と歩いている時。
もし追いかけて来てくれたら。
そう思っていた。
追いかけて来てくれたら思いっきり抱きしめてやる。
苦しくなるくらい。
もう離さないぞって。
あの男の分も上書きしてやるぞって。
だけどあなたは、追いかけて来なかった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!