そう言うと宿儺は一瞬で移動して伏黒さんを殴る。
なんか、目がマジだ。
この前会った時とは全く違う。
当然伏黒さんに敵う相手ではない。
宿儺が最後のトドメを刺そうとする。
守れないの?
弱いの?
僕は...
やれることを、やらなくちゃだよね。
領域展開...
この前五条先生に教えてもらった。
僕の領域内では相手の動きが鈍くなる。
伏黒さんはニヤッと笑ってなんとか立ち上がる。
伏黒さんはもうほとんど動けない。
だからなるべく邪魔を...
ビュン
スレスレを宿儺の手刀が通る。
きっと、宿儺は僕を攫うことを最優先にしたんだろう。
気絶させて連れて帰ろうって感じか。
と思った矢先...
宿儺の右手には伏黒さんが居た。
無理だ。
僕も、伏黒さんも、宿儺には勝てない。
僕は宿儺に1歩ずつ近づく。
伏黒さんがポツポツと話す。
そっか。
僕らは偽善のために綺麗事を吐くようなヒーローじゃない。
すぅっと宿儺の模様が無くなっていく。
虎杖さんは満面の笑顔で言った。
ドサッ
虎杖さんは起き上がらなかった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!