通りすがりに襲ってくる色んな呪霊を斬りながら考える。
なんで呪霊は動かなくなるのか。
もしかして...
僕の大きな声がフロアに響く。
ちょっと恥ずかしい。
でも、何となくわかった気がする。
宿儺の時も、さっきのあいつも。
僕と「目」が合った瞬間に動かなくなった。
しばらく歩いていくと...
でもそれだけのために回り道をするのはめんどくさい。
僕を無視して虎杖さんは...
壁をぶち抜いた。
色々聞きたいけどもうどうでもいい。
どうにでもなれ、と刀を下ろすと呪霊の腕が斬れた。
ちょっと嬉しい。
呪霊が驚いて窓から逃げ出す。
チラッと呪霊が振り返った時。
わざと目を合わせてみる。
僕は呪霊の目をじっと見つめる。
呪霊の目に恐怖の色が浮かんでいる。
呪霊が泡を吹き始めた。
それに驚いて気を緩めてしまう。
次の瞬間。
野薔薇様が藁人形に釘を打ち込む。
そして呪霊は塵になって消えていった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。