慣れたように進む伏黒さんについて建物の中に入ると...
どう考えてもおかしい作りになっている。
上を見上げると天井が見えないくらい高い。
恐る恐る全員で振り返る。
でもどうやら玉犬君が場所を覚えてるらしい。
そのまま進んでいく。
しばらく歩くと開けた場所に着く。
人...?
虎杖さんが駆け寄るけど手遅れだったらしい。
頭の中に女の人の声がこだまする。
気持ちも分からなくはない。
けど今持っていくと、助かる命も助からないかもしれない。
それは残りの人も、僕達も。
助ける気が、無い?
伏黒さんが珍しく声を荒らげる。
ズバン
急に視界から野薔薇様が消える。
突然視界が揺れて足元の感覚が無くなる。
ふわっとした感覚で、「落ちてる」ことに気がついた。
2人の声が遠ざかった。
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目が覚めると真っ暗な場所に1人。
とりあえず立って歩いてみる。
本当に誰もいない。
1人だ。
呪いの気配っ!
上を見上げると、気味の悪い呪霊がこちらを見下ろしていた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。