第26話

第26話
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2020/08/10 14:41
相変わらずひょうきんな伊野ちゃん。










僕は必死に考えた。





”うえてさいぬじよせ”










君のことだから僕のことを思って優しめの暗号にしたのかな?









伊野尾慧
その暗号も気になるけどさ、他に気になることあるじゃん。
知念侑李
え?
伊野尾慧
ここだよここ
知念侑李
幽霊…か、、、、
伊野尾慧
取り憑かれてるって書いてあるよ?
どういうことだろう。
知念侑李
おばあちゃん、このことって知ってましたか?
「うーん、取り憑かれたとは言ってたけれどそれが出ていった理由だったとは…」
知念侑李
その霊媒師さんにお話を聞くってことできませんか??
「あぁ出来ると思うよ。呼んでみようか」
知念侑李
ありがとうございます!
伊野尾慧
ありがとうございます!
ーーーーーーーーーー



霊媒師「あぁこの子かい。この子はね、私も名前は知らなかったんだが、通り縋った時になにか強い力を感じてね。そしたら体調不良だのなんだのって言うからちょっと見てみたんだ。そしたら案の定…」
知念侑李
霊が取り憑いていたと…
「そう、かなり強かったね。」
伊野尾慧
あなたちゃんが今どこにいるかとか分かりますか?
「うーんそこまでは…。
でもあの霊はかなり強いんだ。だから今生きてるかどうか…。」
知念侑李
霊に殺される、なんてことあるんですか?!
「あぁあるよ。」
(本当はどうなのか知りません。)
伊野尾慧
え…
「実際、この村では過去に何人もの人が犠牲になっているよ。」
伊野尾慧
じゃあ、あなたちゃんもその1人の可能性が…
「そうだね…」
知念侑李
そんな…
「でもまだ決まった訳では無い。あの子は生きる力がとても強いんだ。だから今でも元気に生きていると信じよう。」
知念侑李
そうですね…。ありがとうございました!
「困ったらいつでもおいでね」
伊野尾慧
はい!ありがとうございました!




君のことに関してなにか有力な情報が得られているのかどうかさえも分からない。










ねぇ、どこにいるの。








呪い殺されたりなんかしてないよね。









僕らはありったけの情報を犬鳴村の方が他から搾り取って帰った。






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伊野尾慧
こっちに帰ってきたはいいけど…
知念侑李
あなた…
伊野尾慧
知念!諦めずに探そうよ!絶対生きてるんだから!きっとどこかで会えるはずだよ!それに見たでしょ?あの手紙。
知念侑李
…え?
伊野尾慧
死ぬまで、いや、死んだ後も絶対に知念のことが好きだって。
知念侑李
うん
伊野尾慧
そんなに大事に手紙持ち歩いちゃって!
知念侑李
これお守りにする。
知念は可愛いこと言うなぁ
伊野尾慧
うん、そうしな?
知念侑李
(泣)
あまりに見つからなくて自信がなくなったのか、知念は突然泣き始めた。
知念侑李
僕寂しいよ…
伊野尾慧
大丈夫。俺がいるから。
俺にはいま、それしか言えない。











なにか知念の助けになれるとしたら…











あなたちゃんを見つけることだ。

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