えーと。
15時に現場で、シャワーと着替えに30分だとして…。
後1時間は出来るな。
後10分走って……。
仕事までの時間。
俺はランニングマシーンをやりながら、この後のスケジュールを考えていた。
今日はあなたと亜嵐くんか……。
メンさんいないだけいいか。
よし。ラストスパート。
スピードを上げてラスト5分を全力疾走した。
息を整え、タオルで汗を拭きながら振り返った。
振り返るとあなたがあぐらをかき、ウィンダーinゼリーを飲みながらスマホを弄っていた。
あなたは腕時計を見ながら言った。
健気だ………。
あなたは立ち上がると、荷物を持ち始めた。
あなたは振り返り、俺にスマホを見せてきた。
俺の走ってる後ろ姿が取られていた。
あなたはスキップしながら先に歩いていった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!