待って!
王子!
置いてかないで!
ホントに作るんだな。
俺は諦めて、スマホをいじってるあなたの隣を歩いていた。
家の近くまでタクシーで行くと2人でスーパーに入った。
あなたは歩きながら、食材を探している。
俺はその横でカートを押しながら歩いていた。
パスタの材料と少しお菓子も買い、俺の家に着いた。
家に入るとあなたは早速キッチンへ。
俺はソファーに座るとテレビをつけた。
背中越しにキッチンがある為、後ろが気になる。
気になるなら見よう!と結論に出た俺はキッチンカウンターの上に腕を組んで顔を乗せあなたの様子を見た。
あなたはチラッと俺を見て少し微笑んだ。
怒られた俺はソファーに戻ってテレビを見た。
暫くすると目の前にナポリタンが置かれた。
あなたは安心したみたいで自分の口にもパスタを運んだ。
2人で食べ終わると「ごちそうさまでした」と手を合わせた。
俺が洗うと言ったがあなたが「お邪魔してるから」と洗い物までしてくれた。
それを俺はまたキッチンカウンターの上に腕を組んで頭を乗せながら見ていた。
洗い物が終わったあなたはタオルで手を拭いていた。
サラッと言った自分の言葉を思い返して我に返った。
あなたは少し俯いてから恥ずかしそうに俺を見た。
俺は少し身を乗り出して、軽くキスをした。
俺はまたキッチンカウンターに俯いて顔を隠し、チラッとあなたを見た。
あなたは俺の腕をバシッと叩いた。
俺はニコニコしながら言うとあなたは更に顔を真っ赤にした。
身を乗り出して、今度はあなたの頭を撫でた。
あなたは俺の手を掴んで来たので、そのまま手を繋いだ。
手を離すと俺はキッチンに入り、あなたの隣に立った。
俺はあなたの顔を覗きながら聞いた。
返信をもらうと、そのまま顔を近づけてキスをした。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!