隆二と岩ちゃんと健二郎くんは買い物。
NAOTOさんと直己さんは打ち合わせ。
ELLYは電話で席を外してる。
って事で楽屋には俺とあなたの2人。
あなたは楽屋の端でスマホをいじっている。
俺が立ち上がるとあなたの身体がビクッとなった。
あれからあなたには何もしていない。
あれから、ずっとこんな感じだ。
翌週から俺は2週間、映画の撮影で日本を離れていた。
俺は時計を見た。
18時か。
日本は24時か。
まだ起きてるかな…。
スタッフに案内された俺は暖炉で暖まるとスマホを出した。
電話を切り、あなたの声のトーンを思い出し微笑んでいるとスタッフから「登坂さん!本物の赤いオーロラですよ!」と言われ、空を見上げた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!