皆が離れると俺はあなたを見た。
普段は玲於とか隼とかとじゃれ合ったりする事が多いけど。
こういう時は俺。
俺の服を離すと、今度は手を伸ばしてきた。
俺は分かってますよって思いながら、伸ばされた手を繋いで向かいに座った。
繋がれてない手を枕に、机に伏せてるのを見ると、空いた手で頭を撫でてやる。
3代目とGENERATIONSで見せ方を分けて、「天才!」とか言われてるけど時間を割いてダンスレッスン、ボイトレ、ジム通い。
影で努力してるのは俺も昔から知ってる。
女である自分のせいで3代目やGENERATIONSのファンを失望させ離さないように。
俺はアカペラでPrayを歌った。
歌い終わりあなたを見るとスヤスヤ寝ていた。
俺も繋がれてない手を枕に机に伏せながらあなたの顔を見た。
結局俺も毎回あなたの顔を見てると一緒に眠ってしまう。
この位置だけは………あなたの寝顔が見える、この位置だけは…俺だけであって欲しいな。
と思いながら。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。