部屋に入ると、また見たことのない子がいた
……はぁ……
大きなため息をついている
どうしたの?
あ、お文具さんを待ってるの
あれ?いつもこの部屋にいるのになんでだろ
僕が来ちゃったからかな…
濃い青色をした子は、落ち込んでしまった
…あ、そうだ、名前はなんていうの?
名も無き者です
??
名前がないので、お文具さんがこう呼んでくれたんです
あ、そうなんだね
お文具さんの話をしたら、少し元気になったらしい
しばらく話していると
あなたさ〜ん
あ、お文具さん
お文具さんが入ってきた
お文具さん…
おや、名も無き者さんも一緒でしたか
どうしたのです?
辛いことがあったけど…
あなたさんと話してたら楽になったの
え?私?
おお〜それは良かったのです
じゃあわいもあなたさんに…
っと言って、お文具さんは頭の上に乗っかってきた
辛いことがあったら、わいが頭から吸い取ります
お、お文具さん、もうちょっと後ろ行かないと落ちちゃう
名も無き者が言うと、お文具さんは本当に落ちてきた
わぁー
危ない!
ありがとうなのです
気をつけてね
次からは落ちない練習をするです!
うん、そうじゃないよ
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!