私が座席表を眺めていると──
クラスのお調子者が座席表を見に来た。
私の真横に立って、眺めていると──
「マジか~!」って何なんだ?
いいのか、悪いのか、
少なくとも私は嫌だった。
授業中もうるさい彼にあまりいい印象は無かったからだ。
そう言われ、手を差し出された。
握手を求めているのだろう。
私はあまり、よろしくしたくなかったので、
指の先端を触れるくらいにして握った。
すると、彼は少し嬉しそうな顔をした。
私の隣はクラスのムードメーカーでお調子者のなおやでした。
明日から、どうしよう。
とりあえず、帰りに耳栓でも買ってこよう。
────そう決心した。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。