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2021/07/30

第8話

第六章 不思議な子 ルーク視点
私の知っている“トリックスター”は、普段こそ控えめだが、友といる時は羽目を外し過ぎない程度に楽しく笑う、ごく普通の“魔力を持たない人間”だ。
けれど、私は見てしまったのだ。
友と居る時とは違う、トリックスターの別の一面を。───────それは、ある日の放課後。
ルーク・ハント
ルーク・ハント
(やれやれ、今日の竜の君ロァ・ドゥ・ドラゴンも中々に凄まじかった。私を見るや否や物凄い速さで去って行くのだからね。ん?あの後ろ姿は……)
植物園の近くに行くと、黒に近い紺色の髪に黒眼鏡を掛けた青年……トリックスターのあなたが居た。
何時も一緒に居るハーツラビュル寮の寮生二人と、ムシュー・毛むくじゃらが傍に居ないことから、一人なのだと察する。
ルーク・ハント
ルーク・ハント
(一人で何をしているのだろう)
トリックスターはそのまま植物園へと入って行き、私も気付かれないよう後を追い掛ける。
植物園内にはトリックスターと私以外には誰も居らず、トリックスターは他に目もくれずに奥へ進んで行く。暫くすると、一匹の小さな妖精が木々の隙間から現れる。
頭に大きな花の髪飾りを付けている所からして花の妖精だろうか。
ルーク・ハント
ルーク・ハント
(しかし、何故トリックスターと妖精が?)
花の妖精はトリックスターに話し掛けているみたいだが、言語が違うので私には何を言っているか分からない。だが、トリックスターは違った。
監督生(審神者)
監督生(審神者)
羽根の怪我治ったんだ。じゃあもう此処から出られるね。飛ぶ時はぶつけないよう気を付けるんだよ
ルーク・ハント
ルーク・ハント
(通じて、るのか?)
妖精はお礼をするように頭を下げた後、満足気な表情を浮かべてトリックスターの手に触れ、自分の頬を擦り付けた。
ルーク・ハント
ルーク・ハント
(懐いているみたいだね)
トリックスターは右手の掌に妖精を乗せ、入口の方に身体を向けると、右腕を上げた。
妖精は羽根を広げ、何処かへ飛んでいったが、その様子を見守るトリックスターの顔は哀愁漂う程凛としていてまるで別人だった。
監督生(審神者)
監督生(審神者)
今貴方が見た光景は秘密にして下さいね。ルーク先輩
名前を呼ばれ木陰から姿を現すが、まさかトリックスターに気付かれるとは思っていなかった。
監督生(審神者)
監督生(審神者)
あの妖精、茨の棘で羽根を怪我したみたいで植物園でこっそり面倒見てたんです。誰にも言わないでくださいね
ルーク・ハント
ルーク・ハント
分かった。約束しよう。けど、君は妖精と話が出来るのかい?
監督生(審神者)
監督生(審神者)
言語が通じる道具を妖精から頂いたので。ルーク先輩がいるのも彼女が教えてくれました
ルーク・ハント
ルーク・ハント
なるほど?
監督生(審神者)
監督生(審神者)
では、僕は失礼しますね
それだけ言うと、トリックスターは植物園から出ていく。実に、不思議な子だ。
ルーク・ハント
ルーク・ハント
分かりやすそうで、よく分からない子だ……