第21話

第十九章 新たな進展 リドル視点
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2022/01/18 20:19
食堂に行き、料理を皿に盛っていると隣から誰かの視線を感じ、横を向く。
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
……何かな
監督生(審神者)
監督生(審神者)
すみません、まじまじと見て。
やっぱりうちの子に似てるなーって
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
うちの子?
監督生(審神者)
監督生(審神者)
金魚
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
首をはねられたいのかな!?
監督生(審神者)
監督生(審神者)
冗談です冗談。
身内にリドル先輩に似ている子がいましてね。あ、でも声は源氏兄弟のお兄さんにそっくりかな
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
身内の子って……。僕を子供扱いしたらどうなるか分かるね?
監督生(審神者)
監督生(審神者)
首チョンパされますか?
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
チョンパはしないが、どちらかと言えば首ガシャンかな
トレイ・クローバー
トレイ・クローバー
ん”ん”……っふ……
ケイト・ダイヤモンド
ケイト・ダイヤモンド
トレイくん、笑っちゃ駄目だって。
リドルくん、今のセリフもう一回
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
とか言いながら録音しようとするんじゃない!!
ジェイド・リーチ
ジェイド・リーチ
おや、それは失礼。録ってしまいました
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
ジェイド……!よりによって録られたくない奴に……!
ジェイド・リーチ
ジェイド・リーチ
嘘です
料理をとる手だけ動かしながらそんなやり取りをする。あなたはデュースやエース達と同じ一年生だというのに、躊躇いなくこうやってたまに僕にちょっかいを掛けてくる。
フロイド程では無いし、煽るなど、馬鹿にするような発言をしている訳では無いから今の所見逃してはいるが……一体何がしたいのか。
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
(一番厄介なのは今みたいに後から悪ノリしてくる連中だけれどね)
にしても、あなたの身内とはどの様な人達なのか。
先程言っていた“源氏兄弟”とは誰だろう。エースから聞いた話によれば“妹”が一人いるらしいが、あなたの家族構成は不明だ。
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
(兄妹か……。僕は一人っ子だしな。考えたこともなかった。トレイもケイトもエースも兄弟姉妹がいるし、兄妹ではないがデュースは母親とそれなりに関係は良好なようだし)
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
あなた、君は確か妹が居るんだったね?
エースから聞いたよ。妹とは……っ!
あなたの方を見ると、そこには笑っていたあなたの姿は無く、冷ややかで、でも何処か切なげな視線で遠くを見つめるあなたが立っていた。
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
(まずい。僕としたことが。触れてはいけない内容だったか?しかし、エース達は普通に聞いたようだし……まさか、二人が気付いていなかっただけで、本当は話したくなかったのに話しただけなのか?)
監督生(審神者)
監督生(審神者)
……ふふ。すみません、少しボーッとしてました。それで、妹が何か?
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
(何事も無かったかのように笑って……コイツはジェイドか)
ジェイド・リーチ
ジェイド・リーチ
おやおや?何故僕を見るんです?
妹はいませんが、双子となら関係は良好ですよ
フロイド・リーチ
フロイド・リーチ
そーそー。ジェイドがお腹すいた時のために作ってとっておいたカルパッチョ、俺が食ったとしても許してくれるぐらいに仲は良好だよねー(棒)
ジェイド・リーチ
ジェイド・リーチ
初耳です。アレ、フロイドが食べてしまったのですね。困りましたねぇ。まぁ、僕もフロイドが作ったたこ焼きを食べてしまいましたからお互い様ということで
フロイド・リーチ
フロイド・リーチ
げっ!?俺の作ったたこ焼き食ったのジェイドかよ。てか、俺がカルパッチョ食ったの知っててたこ焼き食べたんじゃねーの?
リーチ兄弟が騒ぎ始め、離れた場所からアズールが「お前達。後ろがつっかえてますよ。早く行きなさい」と注意する。
その様子を見て保護者と子供か。とツッコミを入れたくなった。
監督生(審神者)
監督生(審神者)
仲が良いですね。でもまさか、リドル先輩から妹の話が出てくるなんて。兄妹でも欲しくなりましたか?うちの子になります?
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
そう言う訳でも無いし、なるわけないだろう!君が最初に身内の話をしたから聞いただけだ
監督生(審神者)
監督生(審神者)
そうでしたか。僕の妹は、凛々しく気高く、強くて厳しくも優しい子ですよ
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
何処の女傑だ。妹をそんな風に表現するのが普通なのかい?まさか、君……シスコンというやつか!?
監督生(審神者)
監督生(審神者)
貴方からそんな単語が出るとは思ってませんでしたね。そして違いますよ。
僕の家族について話すことは、他には特にありませんかね
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
そ、そうかい
家族との思い出の一つもないのだろうか。
随分とあっさり言うものだ。僕は正直……あなたが苦手だ。ちょっかいを出されるからでは無い。
特に何かされた訳でもない。けれど、皆が言うように何を考えているのか分からないのも含め、時折……ふとした時に謎の冷たさを感じる。今みたいに。
分からないフリをしていても、実際分かっているとでも言うような雰囲気をたまに感じ取る。
かと思いきや、次の瞬間は普通に笑っている。
???
“家族”など、所詮は個々の集まり。
ならば過去に戻り、自由を奪った母親から逃げ出してはみないか……?
そして、“新たな力”を得て強くなろうぞ
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
……っ!?
バッと後ろを振り向くと、あなたは吃驚したように目を見開いて僕を見ていた。
監督生(審神者)
監督生(審神者)
リドル先輩?
トレイ・クローバー
トレイ・クローバー
どうした?リドル
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
今、声が……
ケイト・ダイヤモンド
ケイト・ダイヤモンド
声?食堂の中は騒がしいもんね
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
そう言うことじゃ……
アズール・アーシェングロット
アズール・アーシェングロット
リドルさん、早く座らないと席を取られますよ
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
あ、あぁ……そう、だね
トレイ達の隣を歩き、チラッとあなたの方を確認する。あなたは無表情のまま、黙って僕を見ていたが、僕の視線に気付くとニコッと笑ってエース達の元へと歩いて行った。
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
(あれは、あの声は……あなたの声ではない。じゃあ誰の……?)

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