第18話

第十六章 休み明け ジャック視点
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2022/01/12 00:42
─────────休み明けの日。
エペル・フェルミエ
エペル・フェルミエ
連休初日の日って、幽霊の日とかじゃないよね?
ジャック・ハウル
ジャック・ハウル
は?
朝、教室に向かうと、同じクラスのエペルから挨拶をされた後、突然変なことを聞かれた。
取り敢えずエペルの話に耳を傾けるが、どうやら連休初日に色々あったらしい。
エースやデュースに話していない出来事もあるそうだ。オンボロ寮の前で女性と男性の幽霊を見たとか……。
それも、学校にいるようなゴーストではなく、人の形をした、血塗れの。
ジャック・ハウル
ジャック・ハウル
(ホラー映画観てる最中にんな事起きたらそれはそれでトラウマになりそうだな。本当かどうかはさておき)
エペル・フェルミエ
エペル・フェルミエ
学校近くの森では白髪の不思議な男性も見たし……僕、取り憑かれてるのかな……?
ジャック・ハウル
ジャック・ハウル
流石に考え過ぎだろ。
でも、オンボロ寮に出た幽霊は知らねぇが、その森にいた男は幽霊には見えなかったんだろ?俺としてはそっちの方が気になるな。
幽霊じゃなかったらソイツはナイトレイブンカレッジの側までやって来てなにしてたのやら
エペル・フェルミエ
エペル・フェルミエ
人かどうかも怪しいけどね。
まぁ、特に何かされた訳でもないし、映画見終わった後は普通に解散したよ
席に座った後、エペルが「あ、そうだ」と何かを思い出したように小さく声を上げ、先程までの不安気な表情とは打って変わって明るい表情を浮かべた。
エペル・フェルミエ
エペル・フェルミエ
あなたクンについてなんだけど……
ジャック・ハウル
ジャック・ハウル
あなたがどうした
あなた……魔力のない普通の人間。
問題児だらけで、プライドの高い個性の濃い面々が揃うこの学校ではまだ控えめな生徒であり、“例外的存在”。
魔力を持たないから馬鹿にする連中もいるが、人柄は間違いなく学校内で“良い奴”の部類に入る。実力主義のナイトレイブンカレッジじゃ、その人柄の良さを逆に利用されかねないが……。
まぁ、人柄が良いと言っても、あなたはたまに意地が悪かったり、掴み所がなかったりする不思議な奴でもある。
エペルはエースの提案であなたの誕生日にサプライズをすることになったらしく、俺も一緒にどうだ?と誘うけれど……
ジャック・ハウル
ジャック・ハウル
群れるのは好きじゃねぇが……誕生日会ならまぁ……行ってやるか
エペル・フェルミエ
エペル・フェルミエ
うん、プレゼントも買わないとね。
足りなかったら、モストロ・ラウンジでバイトかな
あなたの誕生日が何時なのか、どういったサプライズをするのかを教えて貰ったり、話したりし、あなたには秘密でお願いされる。サプライズだし本人に言うつもりなどないが、一つ困ったことがある。
ジャック・ハウル
ジャック・ハウル
(アイツの好きなもんってなんだ……。自分の好みを口に出さないと言うより、食べ物なら好き嫌いなく美味しいと言って食べてるし。必要なものとか、普段使うものとかも言うてこだわりがないみたいだしな)
エペル・フェルミエ
エペル・フェルミエ
あなたクンへのプレゼント……何がいいかな
ジャック・ハウル
ジャック・ハウル
やっぱそうなるよな。
本人に直接聞くにしても、さりげなく聞くにしてもアイツ変に察しが良いとこあるし
エペル・フェルミエ
エペル・フェルミエ
あはは……確かに。気を付けないとね
ホームルームの後に授業が始まり、集中するためプレゼントについては休憩時間にでも考えることにした。
一瞬あなたは体が細いから筋トレ道具でもやろうかと考えるも、鍛えられたあなたの姿を想像し、微妙な気持ちになる。
アイツには申し訳ないが……ムキムキなあなたは何か……うん。違う気がする。

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