───────ホームルーム終了後は授業が始まり、黒板に書かれた内容を黙々とノートに書き写す。
現在学校内に変わった様子はなく、まだ平和な日々を過ごせているが……僕がグリムと“入学式”の日、ナイトレイブンカレッジに現れてからこの数ヶ月間、学校内では生徒達との絡みや色んな事件が起きた。
後ろからエースに小声で話しかけられ、「良いよ」と笑顔でペンを貸す。
僕の学校生活を刀剣男士達が見たらどう思うだろうか。
携帯型時空転移装置と僕の“霊力”で人工的に時空の歪をつくりだし、“専用門”を開いてツイステッドワンダーランドと元の世界の自分の本丸へ直に繋げる。
そうすれば、帰りたい時に何処にいても本丸へ帰ることが出来る。
うちの刀達には事情も話してあるし、オンボロ寮からちょくちょく本丸へ帰ってはいるけど、最近は留守がちなので退屈させているかもしれない。
本丸へ帰る際は形代で僕似の式神を召喚し、上手く誤魔化している。だが、何日も持つ訳では無いので時間が限られてくる。僕が中々本丸へ帰れないのはそれが理由でもある。
デュースに言われて「そうだね」と短く答える。
錬金術は何処か刀装作りと似てる気がしているので、自分でやってみると刀装作りに励む刀剣男士達の気持ちが何となく分かる。
他愛もない魔法士の卵とはいえ、人間である若者とのやり取り。僕にとっては新鮮だ。
こういうのも悪くない。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!