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第1話

全てのはじまり
ああ、私は終わったのだろうか。
瞼が重い。
身体は徐々に溶けていくように感覚を奪っていく。
どうしてこんな事に。
もう諦めたかった。
残虐な父。ヒステリックな母。
兄は両親からのストレスで私に暴力を振るう。
すべてが嫌だ。
今から1時間前の事。
私が家を追い出されて、1週間。
この辺りは歩かせて貰ったことも無い。
ずっと閉じ込められている。
家の近くしか知らないから、ふらふらそこら辺を歩く。
こんな景色もあったんだな、
そんな事を思いながら重い足取りで歩いていく。
ポチは元気にしてるだろうか。
ちゃんと散歩に連れて行ってもらったり、
ご飯を食べているのだろうか。
ーーーーーーー!!!!!!!!
悲鳴にならないナニカの音がした。
家の中からだ。
不審に思って、家を追い出された事も忘れて玄関から入って見ることにした。
兄は息を荒くして居間に立っていた。
片手には、割れたガラス片を持って。
フーッ…フーッ………………
赤い液体がぽとり。
この…クソ犬がぁぁっっ!!!
「あ…や…」
声が出ない。
声にならない。恐怖で埋め尽くされる。
あ、そーだ。フォロワー、もっと増やすためにこの動画アップしよーかなぁ…
増えるかなあ。?????
片手にスマホを持って動画モードを開始する。
ポチの体から、血が止まらない。
真っ白な毛並みが、毎日とかしてあげていた毛並みが、赤く、紅く、朱く染まる。
ふと、気がついた時には
私は兄の喉笛を掻き毟り眼球にガラス片を突き刺していた。
え???????????????
兄は何が起こったのかわからない。
ぐ…
ぐぁいあああぁぁぁっっっ!?!?!
倒れ込む兄は放置し、
すぐさまポチの様子を確認する。
「ポチ!!!!!」
もう
そこには
天へと旅立った、
心から愛していたポチの姿があった。
「ーゥ」
こ…のっ…………………
血眼で手が切れて血が出てることも気にせずに、
兄は死に物狂いでガラス片を持ち、私に迫って来た。首筋には血管を浮き立たせ、唇は痛みに耐える為に噛んだのか、噛み切られている。
ころす………殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すっ………!!!!!!!
目も片方潰れた状態で
兄は最後の力を振り絞り走ってきた。
鬼の形相で。
もう"それ"は人間では無かった。
刹那。
私の首をガラス片が貫通する直前。
死を覚悟した瞬間。
恐る恐る目を開けるとすべてが止まっていた。
兄も。時計も。音も。空気も。
ポチの鼓動も。
あなた

え…?

頭の中で声がする。
???
あなたは、今死にました!
明らかな、楽しそうな、
わくわくしたような、これから面白い事が起こるような、
そんな、喜びで溢れた声がした。

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