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第4話

戦争
足音が聞こえる。
精錬された走りはこんなにも速く走っているのに微量の音しか聞こえないほど無駄な動きが無い。
周りは既に焼け野原だ。
赤々と燃える炎は赤黒く戦場を包み込み、まるで悪魔のようなものを連想させる。
幼い子供と母親が抱き合い震えている。

此処を走る男ーーーーーー
彼の名はレリア。
帝国生まれの無所属の剣士。
落ち着いた茶髪に淡く黄色がかっている。
瞳は信念をうつす深緑であり、
細身の身体には雑な鎧と軽いブーツ。
最低限のものに身体を包み、機動力を重視している。それはまるで戦にしか興味が無いような、
そんな印象を抱かせる。
レリア
レリア
ーーッるぁぁぁぁ!!!
レリアの咆哮で幾人もの王国軍兵士"だっただろう"人間が斬り捨てられる。
レリアの足下には肉片と化した何かが落ちている。
そんな肉片を気にも止めず次の兵士を狙う。
帝国軍兵士
ちッーーーー!!!
帝国軍兵士
来たぞ!!!
戦狂レリアだ!!!!!
そう、レリアは帝国生まれであるが、
帝国軍も王国軍も見境なく斬り捨てる戦狂いーーー
"戦狂レリア"の異名で名を挙げていた。
そのレリアの狙いは未だわかっておらず、
帝国と王国の中でブラックリストに入れられていた。
帝国軍兵士
帝国の裏切者がぁッッ!!!!!
帝国軍兵士が慣れた動きで助走をつけ、
戦狂へと斬撃を放つ。
その斬撃を軽々と避けるレリア。
そして追撃の3撃を叩き込む。
2撃はもう一人の帝国軍兵士の援護によって阻まれたが、1撃は剣をへし折り、すきを見て背後から狙うという愚策を行った兵士の首をとった。
血が吹き飛び、視界を紅く染める。
帝国軍兵士
殺すッッッッ!!!!
感情的になったのが最後。
瞬きをした次の瞬間、
もう地面に肉片が散らばっているだけだった。
レリア
レリア
はぁっ
小さく息を整え、次の兵士を狙う。
この男の目的はわからない。
ただ、ただ、血に染まった身体をこき使い、
兵士を虐殺していく。
レリア
レリア
ーーーーーー!?!!?
ゾッと悪寒がした。
2歩後ろに飛び下がり、距離をおき、
相手をみる。
崩れかけた煉瓦の無効に立ち尽くす、
亜人を見たからだ。
亜人は生き物を繋ぎ合わせた容姿で、
俗に言う"キメラ"と言うものだった。
狂暴な獣と人を繋ぎ合わせた、人とは言えない何かが居る。明らかに他の兵士との"気"が違う。
あの生き物は、あれは、
殺人の為に創られた、実験の為に戦場に放り込まれただろうものだ。
キメラは運悪くこちらに気が付き、
涎か血か何かを撒き散らし、
こちらへ近付いてくる。
レリア
レリア
おいおい、まじかよ…
戦狂もキメラと戦う装備などしてきてはいない。
今回のターゲットは兵士なのだから。
帝国軍兵士
今だ!!!
響く声が聞こえ、数人の兵士が横から飛び掛かってきた。気がつけばキメラと兵士に囲まれていた。
舌打ちをし、迎撃の体制に入るがーーー
その体制も、兵士の横から振り翳された牙によって緩むことになる。
ぐちゃぐちゃ。
ぎち、ぎち。
ぼきぼき、ぐち、どろ、どろ。
キメラの口内で人を喰らう音がする。
それも、その場にいたレリア以外の兵士を。
レリア
レリア
ーっ
まるで、"こいつは俺の獲物だから手を出すな"と言いたげな行動だった。
食餌が終わると、ぐるりと振り向き、
血と臓物を垂れ流した口で生臭い死の匂いを吐き出した。
逃げられない。囮も使ってしまった。
恐らく、そこら辺の精鋭部隊が5つあっても苦戦を強いられるだろう。それ程の死の雰囲気を醸し出す目の前の"獲物"。お互いに獲物同士である戦狂と巨躯。ただ命を刈り取るだけ。そこら辺の兵士と一緒だ。
レリア
レリア
やるか
レリアの一言でキメラと戦狂の剣舞が始まった。

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