…数日後…
〜あなたside〜
ー街の中ー
ーセラと別れるー
どこ行こうかな。
たまには街の中を歩き回ってみるのもいいかも。
よし、歩こ。
それにしても、この前のすとぷりのハイタッチ会は嬉しかったなぁ。
手を洗うときにためらったくらいだもん。笑
るぅとくんに伝えられて良かった。
でも、るぅとくんは覚えてないんだろうな…。
だって私は、ひとりのリスナーだもん。
たくさんいる中のひとりなんだもん、
当たり前だよね…。笑
るぅとくん、かっこよかったなぁ…。
また、会いたいな…。
〜るぅとside〜
今日は休みだったから、久しぶりに街を歩くことにした。
気分転換だ。
どうしても、ハイタッチ会のときの女の子が忘れられない…。
あの、笑顔が素敵な女の子…。
リスナーさんのひとりなのに、
たくさんいるリスナーさんのうちのひとりなのに、
なぜか彼女のことが頭から離れない。
彼女のことを考えると、自然と頰が緩むんだ。
今日街を歩いているのだって、
もしかしたら会えるかもって…
少しでも思ってしまっているからだ。
でも、会えたらいいな…。
なんて、
リスナーさんとの恋愛は、
しないようにしてたのにな…。
僕は、
一目惚れという名の
片想いを、
してしまっているらしい…。
〜あなたside〜
人通りの少ない通りに入った時、変な男3人組と目が合った。
男3人組は私を見て、
ニヤリと笑った。
怖くてたまらなくなった。
私は、
無我夢中で走った。
とにかく逃げたくて、
とにかく助けて貰いたくて、
走った。
しばらく走って、
公園に着いた。
後ろを振り返ると、
男達はいなかった。
とりあえず近くにあったベンチに座り込むと、
体の力が一気に抜けた。
すると、
よほど顔色が悪いのか、
誰かに声を掛けられた。
その声は、
とても
落ち着いて、
安心できる
聞き慣れた声だった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!