第4話

さんわ
116
2020/01/25 00:31



僕は急いで空き家に向かった。












昨日のあの男の子は誰なのか。









本当に、
















生きているのか_





男の子
男の子
_遅かったね


やっぱりいた。




昨日の男の子。



男の子
男の子
遊んでくれるって約束したのに…
自分
いや、ごめん
自分
でも学校があったからさ…
男の子
男の子
がっこう?なにそれ
自分
…え?
男の子
男の子
そんなものほっといて遊ぼうよ
男の子
男の子
僕とずーーーっと…




だんだん怖くなっていく男の子の声と

だんだん怯えていく僕。














そこで僕は解決法を考える。
自分
あ、あの…
自分
今日僕、予定があるから早く帰んないと…


よし。うまくいった。











そう思ったのも、つかの間。
男の子
男の子
え?帰るの?
男の子
男の子
遅く来たのに帰るの?
自分
えっと…
男の子
男の子
僕今日、ずっと待ってたんだよ?
男の子
男の子
なのに帰るの?
男の子
男の子
やっと友達になれたと思ってたのに
男の子
男の子
さいてー
男の子
男の子
さいてー
男の子
男の子
さいてー


言うことを聞かない男の子。










僕は諦めた。

自分
…わかった!
自分
遊ぼう。
男の子
男の子
…やったー!



この子、本当に…











あつやくんかもしれない。















僕と男の子はこの日、鬼ごっこをした。








それは昨日と同じように楽しく、








やがて、帰る時間になる。

自分
…じゃあ、帰るね…



また何か言われる前に帰ろう。













って思ったのに。

男の子
男の子
…やだ。
自分
え、
男の子
男の子
帰らないでよ!!



情緒不安定なのか?




にしてはこの年齢的には怖すぎる。




自分
あのね、僕だって、家があるんだよ
自分
だから帰んないと…親が心配するでしょ?
自分
君だってそうじゃない?


一生懸命に説得させたつもりだった。
男の子
男の子
…僕に親なんていやしないよ
自分
え…?
男の子
男の子
分かった。明日ね
男の子
男の子
明日はぜっっっったいに、




やはり疑ってしまった。










この子が生きてるかどうか。













だってそうでしょ?
男の子
男の子
遅刻しないようにね…








男の子の体が今日、








ずっと透けてるんだから。

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