第6話

ごわ
115
2020/01/29 11:36


逃げろ。












早く。









早くっ…!




自分
お母さん!もっと急いで!!
お母さん
お母さん
だから、なんの話をしてるの?


わかってよお母さん。















僕は助手席から後ろを見た瞬間、絶望感に包まれた。













そこには、










変わり果てた男の子の姿。










ユラ〜リユラ〜リと左右に揺れながら歩いてくる。












かなり車は早いのに











だんだん近寄ってくる。











助けて。


男の子
男の子
ナンデ。

男の子の口パクでなんとなく言ってることがわかった。
男の子
男の子
アソボウヨ…
男の子
男の子
ネェ…
男の子
男の子
トマッテ…
自分
お母さん!!
お母さん
お母さん
だから何?


途端に車が止まった。













しまった。















赤信号だ。










早く変われ!!












すぐ真後ろに男の子が来ている。













その時、青に変わった信号。












急げ!急げ!!
男の子
男の子
ミィ〜ケッ☆


車の上から ドン!! という音がした。












上に男の子が乗っているのだろうか…?












僕は怖すぎて過呼吸になっている。











もう無理だ…



男の子
男の子
アァ〜ソォ〜ボッ☆


暗いから気づかなかったけど、向かいから来た車の光で分かった。














車の窓には









真っ赤な血がベッタリと張り付いている。
自分
ひぃっ…!


運転席を見れば、













母が気絶している。












元を正せばこれは僕のせいだ。












僕があつやくんと遊ばなければ…。











男の子
男の子
サミシインデショ?
男の子
男の子
アソボウヨ。
男の子
男の子
ボクトズゥーーーーット…

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