事の発端は昨夜。
宿題をしていると、お母さんからリビングに
呼び出された。
お兄ちゃんも同じように呼び出されたらしい。
「大事な話があるの。落ち着いて聞いてね」
「うん?」
「実はね、お父さんが転勤しなきゃいけないから、引っ越すの。
2人には今の学校を転校してほしい。」
「え…?転校ってどこに…?」
「俺、今年受験なんだけど」
「⚪⚪県よ。もちろん今すぐにってわけじゃないわ。優希には県外受験してもらって、梨央はそのまま転校。来年から行くってはどうかなって。」
「県外受験ねえ…」
「でも…私次中3でしょ?あと一年くらいなら、ここに残った方がいいんじゃ…」
「それはダメよ。中学生の女の子が1人暮しなんて。何かあったらどうするの。」
「そっそれに!制服だってあと一年しか着ないのに買うの?友達だって…」
「梨央、ごめんね。辛いのは分かるんだけど、どうしてもダメなのよ。」
その晩は眠れなかった。
で、さっきの行動に至ったのだ。
転校ってことは、すぎにゃんと離れ離れになっちゃうのか。
今すぐってわけじゃないらしいから、少しは助かるんだけど。
まだすぎにゃんの気持ち聞いてないのにな。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。