第6話

ねえ
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2018/05/04 09:46
「ねえ!すぎにゃん!」
私は朝早くからすぎにゃんの家の前で、
すぎにゃんを待ち伏せしていた。
お兄ちゃんには朝、泣いて引き止められたが、無視して来た。
私のお母さんとすぎにゃんのお母さんが仲がいいため、こういうことをしてもストーカーとは思われないのだ。
すぎにゃんが家から出てきてすぐ、私は大声ですぎにゃんに話しかける。
「どちら様でしょうか。」
すぎにゃんはそう言い、私をスルーして登校しようとする。
「ちょっと待てーい!!」
それを私が引き止める。
「…なんでしょうか。」
「もー!冷たいこと言わないの!
私、朝5時からここにいたんだよ?!」
「バカかよ。」
Σ(゚д゚lll)悲しすぎる…
「バッ…バカみたいに待ってたのは理由があるの!」
「はいはい、何ですか?」
すぎにゃんはめんどくさそうに聞いたので、少しイラッとしつつも、答える。
「私はすぎにゃんのこと好きだけど、
すぎにゃんは私のこと好きなの?嫌いなの?いっつも、私が『好き』って言った時、すぎにゃん、スルーor沈黙じゃん!正直、悲しいし、ハッキリさせたいの!」
「………」
えっ沈黙…
まあ確かに気持ちはけっこうぶつけちゃったけど、そんなにダメだった?
( ゚д゚)ハッ!もしや…ドツボに…はまった感じ…?
「…俺が好きって言ったらどうする?」
「えっ…どーもこーも…」
「じゃあ、嫌いって言ったら?」
「傷つく、拗ねる、せんせーに言う、すぎにゃん母に言う、理由言うまで離さない。」
「相当やばいな笑笑」
すぎにゃんはブオッと吹き出し、大笑いする。
私もつられて笑っちゃう。
「学校行くか」
「うん!」
2人、笑顔で登校なんていい朝だな〜
…あれっ?好きか嫌いか聞いてないな
まーいっか!
「ねえ、すぎにゃん」
「ん?」
「好きだよ。待ってるからね!」
私がそう言うと、すぎにゃんは俯いた。
私には照れて顔と耳を真っ赤にしていたような気がしたけど、本当はどうだったんだろう。

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