第2話

※○『甘えん坊』( K.nozomu )
1,109
2018/06/18 16:00
( ⛄️しげのんりゅせ⛄️ さんリク )





夢主ちゃん Side





‘‘あなた、小瀧大丈夫なん?”

そう流星からLINEが来た時刻から

半日近くが経っていた


大学の講義やらサークルが重なって

たまたま忙しくて


既読を付けてから焦ってる。




‘‘なんかあったん?”


流星に即レスを返すと、またすぐに返信がきて




‘‘ 望、体育の授業中に倒れたって聞いたで ”







倒れた……?


望が?







一瞬頭が真っ白…。



すぐ部屋を出て、望のアパートまでチャリを走らせる。




信号待ちでケータイにコールをかけるもは出ず。


赤いテールランプが続く道を見つめる。



え、まさか病院運ばれたとか?


流星に聞いても、そこまではわからんって…







.









部屋に着いて、合鍵で玄関ドアを開けると

いつものスニーカーと、部屋から微かに漏れる光。


よかった…

部屋にはおるみたいや…。









「……のん?」






ベッドを覗くと、苦しそうに眠る のん の姿。



思わず手を握り、抱きすくめる。


首元に顔を埋めると、すぐに体温の熱さに気づく。






「…ほんまに、何しとんねん、」


ぽつりと呟いた言葉に、のん が眉をしかめた。





.





おでこに貼ってあった冷えピタを取り替えようと

キッチンに行けば


そこには、皿につがれた半分のお粥と風邪薬の箱。




これ、ぜんぶ自分でやったん?








「……のん?、なあ、のん、」




可哀想だとは思ったけど

これは流石にやりすぎや。





「……ん、……あなた、?」


「…おん。大丈夫なん?」


「…………なんで?」





大丈夫なん?聞いて第一声目がそれって。





「… のん 大丈夫なんかを聞いてん」


「………、ん」





私が怒ってるわかったんか、すぐに大人しくなって

小さく首を縦に振るのん。



小動物みたいでかわいい..と思ってしまった自分を殴りたい。







「…なんでなんも連絡せんかったん?」


「………」


「…なあ、のん?」


「………」





倒れてから部屋に帰るんやって

どうせ一人で帰って来たわけやないんやろうし


あ、もしかして

お粥と風邪薬はそいつがやったん?






「…ここまでどうやって帰ってきたん?」


「…………友だちが…」


「送ってくれた?」


「……うん」


「だれ?」


「………濵田先輩..、」







「じゃああっちの粥と風邪薬は?誰がしたん?」


「…それは……自分で、」






なんでや。


やっぱわけ分からんわ。









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