『 でーと…デート…date…… 』
及川「 どうしよう国見ちゃん!!
あなたちゃんが宇宙背負っちゃった! 」
国見「 ……すんません… 」
及川「 SU☆NA☆O☆!! 」( 素直 )
国見「 … 」
及川「 無視はヒドイよ?! 」
もはや周りが騒いでる音も聞こえない。
休憩時間がもうそろそろ終わることも、国見が発した言葉で私や、部員全員が混乱し、忘れている。
だけど、一人を除いて。
岩泉「 おいお前ら! もうそろそろ休憩終わるぞ!! 」
部員「「「 !! ハイっす! 」」」
さすが副部長、と言ったところか。
それとも部長があんなだからか。
今混乱している私には、とても頼もしく見えた。
国見「 …部活終わりで良いんで。返事、お願いします 」
『 あっ、はい、分かった? 』
吃驚して思わず返してしまったが、言われなくても考えておくつもりだったから多分関係なかったと思う。
先程の休憩時間では、国見の問題発言によりタオルが使われていなかったので洗う必要はないのかもしれない。
( せっかく国見が手伝ってくれたのに… )
体育館の端にちょこんと体育座りをして、意思もなく国見を追っている目を一旦閉じて休ませて、また開く。
国見を数秒眺めてから他の部員を見て思った。
この思いは、恋か 否か。
国見が練習に取り込んでいる姿を見入っている私に紛れた、小さなときめき。
いつ、気づくことが出来るのだろうか。
それは、今の問題を解決してからの話である。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。