聡side
今日は君と僕が付き合って1ヶ月目の特別な日。
なのに君は…
勝利「そお、先帰る。じゃ ~ ね。」
また先に帰ろうとする。
付き合って1週間くらいは俺が着いて行って無理矢理一緒に帰ってたけど、たまに迷惑そうな顔をされるから辞めた。
聡「ね、ねぇ!勝利!」
でも、今日は特別な日だよ?嫌な顔されても一緒に帰りたいじゃん!
こんな感情、小学生みたいだよね。
でも、まだ俺たちキスも2回くらいしかしたことないんだよね…
その先にいくなんて今の関係のままじゃ考えられないよ。
勝利「ん?どうした?」
聡「一緒に帰ろうっ?」
勇気を振り絞って放った言葉は、どこかぎこちなさを帯びていて。
勝利「あ ~ …」
ほら、やっぱり君は困ったように迷惑そうにする。
なんで?どうして?僕なんか悪いことした?
みんながいる前では笑顔で楽しそうに話してくれるじゃん。
僕、勝利の彼氏だよ?
一緒に帰ることすら許されないの?
聡「僕のこと嫌い…?」
勝利「そんなわけないじゃん」
聡「じゃあ、どうして…っ」
"どうして君は僕を避けるの?"
勝利「…俺が壊れちゃってもいいの?」
聡「え?」
壊れちゃってもいいってどういうこと?
やっぱり邪魔ってこと?
勝利「俺、なんか最近さ聡と一緒に居ると、キスじゃ止まんなくなりそうになるの。楽屋で2人きりのときも車で帰るときも止まんなくなったらって怖くて…」
弱々しい声で俺の問いに答えてくれる。
そんな勝利見てたら…
勝利「…そおっ?」
聡「ぎゅ〜ってしたくなっちゃった」
勝利を俺の腕で包み込む。
聡「なんで、我慢なんてするの。勝利が側に居てくれるなら何されてもいいよっ」
驚いてた勝利がいきなりクスッと音を立てて笑った。
勝利「なにその無防備な発言。…俺にだけ、だろ?何されてもいいのは。」
聡「あ…うん!笑」
勝利「ほら帰ろう。」
やっと勝利から許可が出た。
本当に勝利からなら何されてもいい…いや、勝利のためなら何でもする!
危険なことでもねっ!?
(( それは俺が許さないよ?笑 by.勝利
fin.
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。