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冬とは思えない暖かい風が
全身を包み込むように通り過ぎていった
直感だけど、そう思った
今みたいに弱気になっている俺に
大丈夫だよって、優しく笑いかけてくれている気がした
思わず笑みが零れた
こうなったらクヨクヨしていられない
持ってきた花束をお供えして立ち上がる
左腕についた腕時計と
左手の薬指についた2つのリングを見つめながら最後に言葉をかける
今まであったこと全てへの感謝の気持ちを伝える
今まであったことの全てを話したいところだし
謝りたいことも
感謝したいことも
数え切れないくらいあったけど
『テヒョン話長いよ…ㅎ』
笑いながらそう言われる気がして。
冬らしくない暖かい風を受けながら
あなたに一番伝えたかったこの言葉を贈った
『 熱 愛 報 道 』 END
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!