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2019/05/12

第5話

早く一緒に
 ウォヌヒョンから電話をもらった。久しぶりに聞く彼の声は、少し元気がなくて。

ー大丈夫…かなー

あんなに腹が立ったのに心配してしまう自分にも腹が立つ。でもあの言葉は納得出来ないんだ。男だから、後腐れがないから。そう言われた気がしてすごく悲しい。言ってやるんだ、僕の気持ち全部。

そう決意して呼び出された部屋に入ると、ベッドに座るウォヌヒョンがいた。僕を一瞥して直ぐに視線を逸らす。何を考えてるのか、相変わらずわからない。

「ヒョン…話ってなに?」

恐る恐る問いかける。

『うん、とりあえず座りな。』

そう言って隣に呼ばれた。僕はウォヌヒョンの隣にちょこんと座る。一呼吸置いてウォヌヒョンが口を開いた。

『この間のこと、話そうと思って。お前の気持ちは…何となく察しはつく。酷い言葉で傷つけてごめんな。最初から誘った俺が悪かった。だから…これからは今まで通り接することにしたいんだけど、どうだ?』

僕の顔色を伺うようにゆっくり話し出した。
…こういう時に痛いほど感じる、彼との年の差の大きさを。1つしか違わないのに全て背負おうとする。全部全部自分が悪いと言い張っていらない責任まで抱えて。

「ヒョン。僕はもう子供じゃないよ。初めは僕からしたようなものだったし…何も考えなかった自分が悪いから。ヒョンがやめたいなら…今までに戻ることだってきっとできるよ。」

今できる精一杯の[大人]を演じきる。ウォヌヒョンが本心を言わないなら、こっちだって最後くらい澄まして終わりたい。

『ミンギュは悪くない。1つも。』

僕に被せるように力強く言う。いつもの彼とは違う様子に少し緊張する。

「どうしたの、ヒョン…なんか…」

『俺が悪いんだ!!全部!!自分が撒いた種なのにお前のこと誰にも渡したくないとか、ずっとそばにいて欲しいとか、そんなことずっと…ずっと考えて、』

突然荒ぶる彼に驚いた。普段感情を細かく見せることがないから彼でないようだった。それより驚いたのは彼の本心が自分と同じだったこと。気持ちをぶつけてやろうとしてただけに面をくらってしまった。僕は彼に優しく声をかける。

「ヒョン、落ち着いて ゆっくり話して?ヒョンのこと嫌になったりしないから。」

そう言うと徐々に冷静になっていった。ゆっくりとまた話し始める。

『…ドギョムに見られた時、必死で、あいつは俺らを軽蔑したり、避けたりしなかったけど、この関係を続けてたらいつか皆にもバレる時が来るだろ?俺らはこんな所で潰されていいグループじゃないんだよ。もっともっと上に行ける。行きたいんだ。その為にはマイナスになるイメージはいらない。だから、ただの戯れにしようと思ったんだ。ずっと隠していようと思った。』

二人の間に沈黙が漂う。初めてグループへの思いを話す彼に再び愛しさを感じた。

「うん…俺ももっと上を目指したい。けど…けどね、ヒョンをすごく大切に思ってるよ?ヒョンと一緒にいろんな景色を見たいんだ。…もう気づいてると思うけど、ヒョンが好きです。あの朝から…うん…きっともっと前から好きだった。これはなんの答えにもならないんだけど…」

最後まで言い終わらないうちに口を塞がれる。これまでで一番深くて甘いそれは今までの悩みや不安を全てなくす力があるように感じた。彼が好きだな、ほんとに。
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朝が来て一番にヒョンを見る。昨日は結果的に何も解決してないような気もするけど…グループも僕らもどっちも大切にしたいのは二人とも一緒で、その方法はこれからゆっくり話し合えばいいんだ。ぼくはまだ若い。もちろん彼も。

早起きの苦手な彼に触れる様なキスをして部屋を出る。まだ外は暗い。日課の寝顔観察を終え、再び部屋に来ると、まだすやすや寝息を立てていた。

ーいつまで寝てんだよ、もうー

「早く一緒に生きたいよ」

消え入るような僕の声は彼の寝息にかき消された。