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第1話

魔理沙が吸血鬼になる話
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2021/05/22 06:55
「……平和ねぇ…。」

緑茶を飲んで一息つく。ただ、平和だけれど。それ以上に静かだった。

「なんで……なんて、、あいつが居ないからよね。」

黒白の。魔理沙。あいつがいないから、こんなに静かで。真昼にこんなに静かなのは久しぶりだ。少しだけ、寂しい…なんて。

「は〜…。」






「結局来なかった…何かあったのかしら。」

暗闇の中で、虫の音に耳を傾けながら。吐息とともに本音が出る。少し肌寒い夜だった。

「……。あほらし、、。寝よっと。」

縁側から立ち上がり、霊夢は寝室に戻ろうとした。その時。

「……霊夢!」

向こうから。星の弾幕を箒の穂から散らしながらやってくる影。

「魔理沙?どうしたのよ。」

嬉しいのを隠して、霊夢はなるべく素っ気なく答えた。しかし、その笑みはすぐに固まる。

「……何それ。」

「牙が生えたんだぜ。」

「は?」

羽こそ生えてないものの、魔理沙の小さな口には八重歯より少し鋭い、舌でも噛んだら絶対血が出そうな牙が。

「……は、、?」

「なんでかは知らん。なんか生えた。」

「……実験失敗したとか?」

「最近は上手くいってた。それより霊夢。」

魔理沙は霊夢に詰め寄る。その流れで霊夢は押し倒された。なにがなんだかわからないまま、霊夢は魔理沙を見上げた。

「なに。」

「血。」

「はい?」

「私は今吸血鬼と同じ体質になってるらしくてな。霊夢、お前の血をくれよ。」

「ごめん何言ってるのか分からな……い?!」

言い終わらないうちに、魔理沙が霊夢の首に噛みつく。鈍い痛みと、暖かい液体が流れている感覚。

「痛っ、!何してんのよ?!」

「……ジュ……ル……。」

「ちょっ、、、、!」

暫くすると、魔理沙が起き上がった。

「ぷはっ!!……よし。」

「何がよしなのよ?!」

「霊夢を補充できたからな!これで大丈夫だぜ!」

「なっ……、、、。」

霊夢は何も返せなかった。

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