第28話

白雪姫
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2020/11/24 09:35

未羽「わああ、次だ」

ひまり「緊張する、」

宙「大丈夫、練習したし、」

ひまり「だよね」

次は、私達のクラスのステージ発表。

激に出るメンバーはみんな緊張した顔をしている。

クラスメイト「大丈夫!!今まで通りに」

クラスメイト「おう」

クラスメイト「頑張ろ!」

クラスメイト「裏で応援してるよー!!」

クラスメイト「がんば!!」




放送「次は、1年1組の発表になります。」



アナウンス「ある国に、「白雪姫」と呼ばれる、とても美しい王女がいました。」

バン


私にライトが照らされる。

私に視線が集中してて、緊張してくる。

お兄ちゃん達も、お母さんとお父さんも見ていた。






劇も終盤になり、私の緊張はもう無くなっていた。

王妃「このりんごはいかが?」

白雪姫(ひまり)「わあ、とってもおいしそう!」

私は作り物のりんごを食べる真似をして倒れた。

ここから、キスシーンだ。




小人(未羽)「白雪姫!!!」

小人「ぅぅぅぅ」

小人「白雪姫ええ」




バン



観客「きゃー!!」


王子様姿のそらくんにライトが照らされる。

きっとカッコいい。

私が目をつぶり、仰向けで寝ているところに、セリフを言ったそらくんが近づく。


はあ、ドキドキだ。


練習のように、そらくんの髪が私の顔に触れる。

フワッといい匂いがした。



え?

私の唇に、暖かいものが触れた。

観客からは歓声が上がる。


小人「え、やばやば」

小人「そら?!」

小人「ふふふふ」

観客「きゃー!!」

観客「ほんとにキスしたよ!?」



私がゆっくり目を開けると、そらくんが微笑んで手を貸してくれた。

そらくんの手を取ってベットから降りて立ち上がる。


ひまり「そらくん?」

私の顔が暑い。


宙「俺さ」

そらくんが話し出すと、みんなが静かになった。


宙「入学式の日、ひまりの笑顔を見たときから、好きになりました。」

ひまり「っ」

宙「ひまりのことが好きです。」


そらくんの真剣な顔。

私の目からは涙が溢れていた。

ひまり「っ、、う、ん」

ひまり「私も、好きでした。」


「「きゃー!!!!!!!!」」


私はそらくんに抱きしめられていた。

苦しいくらい、強く。


そらくんが私をそっと離した。


ひまり「私はほんとのお姫様だ。」


宙「俺の中では、最初からお姫様だよ。」



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