ひまり「るとくん」
ると「ひまちゃん?どうしたの?教室に来てくれるなんて」
後輩「あ!ひまり先輩だあ!」
後輩「らぶらぶカップルの先輩だよね!」
後輩「そうそう!しかも美男美女でー」
私は少し恥ずかしくなった。
私はるとくんの告白の返事をするために、るとくんの教室にきた。
放課後になって、そらくんに近寄ると優しく笑って頑張れって言ってくれた。
話せなかったけど、察してくれたのかな。
ると「ひまちゃん、そら先輩は?」
ひまり「今日はるとくんと2人で帰ろうと思って」
ると「ほんとに!?今行く!!待ってて!」
るとくんは嬉しそうにはしゃいで準備をはじめた。
教室に残っていた後輩達は私が浮気をしているのだと噂しだした。
ひまり「浮気なんて、、」
私が否定をしようとすると、るとくんが怒った様子で話し出した。
ると「浮気じゃないよ、ひまちゃんと僕は幼なじみなだけ。それに、ひまちゃんはそら先輩が大好きだから。」
ると「勝手に噂すんのやめなよ。」
ひまり「ただの幼なじみだから大丈夫だよ」
私が微笑むと後輩達はバツが悪そうに目をそらした。
ると「行こ!」
ひまり「うん」
るとくんと2人きりで帰るのは少し気まづかった。
それでもるとくんは笑っていつも通りに振る舞ってくれた。
ひまり「あのね、るとくん」
私がるとくんを公園に連れていったところで話出す。
ると「うん」
るとくんはベンチに座って優しく笑う。
ひまり「私やっぱりそらくんが好きなんだ。」
ると「そっか、」
ひまり「好きって気持ち嬉しかった、でもごめんなさい。」
ると「あーあ、振られちゃったよ」
るとくんは辛そうに笑った。
私は泣きそうになって下を向く。
ると「ずっと好きだったよ、初めて会った時から」
ひまり「うん、」
ると「ただの幼なじみって言うのほんとに辛い」
ひまり「...」
ると「僕も、そら先輩みたいにひまりと手繋いで歩きたい。」
ひまり「うんっ、」
ると「初恋だったよ。」
るとくんは涙目で私の目を見つめる。
ひまり「っ...」
ると「ちょっと!なんでひまちゃんが泣くのぉ」
るとくんは泣きながら抱きついてきた。
私も泣きながら抱きしめ返す。
ると「こんなことして、怒られちゃうね」
ひまり「今日はいいの」
私たちはしばらく泣きながらくっついていた。
ると「ありがとう、初恋の人。」
ると「ずっと片思いしててもいい?」
るとくんは泣き疲れた顔。
私もへらっと笑う。
ひまり「うん、ありがとう」
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。