今日から私達は先輩になる。
入学式の今日は快晴で、入学式らしい天気だ。
そらくんまだかな、
私がベンチに座って待っていると、そらくんの声がした。
宙「ひまり!おはよう」
ひまり「おはよう!」
そらくんと私はいつものように自然に手を繋ぐ。
2人で登校するのはとっても楽しい。
宙「あの子達新入生かな」
ひまり「そうかも、きゃーきゃー言ってる」
宙「入学式だもんなあ」
ひまり「ふふ、めっちゃ元気」
宙「俺らはあんなに元気じゃ無かったわw」
ひまり「私は最悪って思ってたかも、」
宙「俺も、めんどって」
2人で笑った。
私達は似てるのかもな。
私達が校門を通ると、新入生達がザワザワ話をし始めた。
新入生「あの人達、カップルかなあ」
新入生「めっちゃ美男美女」
新入生「ちょ!そんなじろじろ見ないのー!」
新入生「やばくね?」
新入生「彼女さんめっちゃ可愛い」
新入生「あんなカッコイイ先輩いるんだ」
宙「すーごい、噂」
ひまり「カッコイイだって」
宙「可愛いだってよ」
私達はおかしくなって笑った。
宙「そーいや、今日クラス替えあるくね」
ひまり「うん、あるね」
宙「ひまりと同じがいーな」
ひまり「多分、同じだよ」
私がそらくんを見てドヤっとすると、そらくんが笑いだした。
宙「なんでお前がわかるんだよwww」
ひまり「ww」
2人で昇降口まで歩く。
宙「お、書いてある」
ひまり「ええー、見えない」
クラス替えの紙の周りには人がたくさん。
宙「え」
ひまり「なに?」
宙「やば」
ひまり「?」
宙「うわあ、まじかあ」
そらくんが残念そうな顔をしてる。
え、離れたのかな
ひまり「離れちゃったの?」
宙「ふふふふ」
そらくんはニヤニヤ笑いだした。
ひまり「なに??」
宙「一緒だよー!!」
そらくんは私を抱き上げた。
みんな見てるのに。
ひまり「ちょ!みんないるって〜」
宙「やった!!」
そらくんは満面の笑み。
ひまり「やったね」
私も笑い返した。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!