文化祭で、私のクラスは
白雪姫の劇
白雪姫喫茶
に決まった。
劇の衣装を作ってくれている子達に呼ばれて、私は空き教室に入る。
クラスメイト「あ!ひまりちゃーん」
クラスメイト「きたきた」
ひまり「おまたせっ」
クラスメイト「大丈夫大丈夫!劇練習忙しいもんね」
私の放課後はほぼ毎日劇練習。
小人役の未羽と、王子様役のそらくんを含めて、劇に出る子達で頑張っている。
クラスメイト「いまから、白雪姫のドレスのために採寸しようと思うんだけど」
__10分後___
クラスメイト「うわ、ほっそ!」
クラスメイト「スタイル良すぎか」
クラスメイト「絶対可愛いよ」
私は5人に囲まれて採寸をした。
採寸は少し恥ずかしかったけど、みんなが一生懸命に作ってくれるんだなと嬉しくなった。
クラスメイト「ねね、そらと付き合ってるの?」
ひまり「へ?」
私が変な声を出すと、みんなが押し寄せてきた。
クラスメイト「前から思ってたんだよね!」
クラスメイト「めっちゃ仲良しだし。」
クラスメイト「2人でいるところ、よく見る」
クラスメイト「あとさ、キスシーンがある王子様役に自分からなるって言ったのも怪しい」
みんなが、探偵のように私を見る。
私は困った顔でみんなを見た。
ひまり「付き合ってなんてないよ」
クラスメイト「え!そうなの?!」
ひまり「うん、でもね、好きなんだ」
クラスメイト「え!?え!?」
クラスメイト「まじ!?!?」
クラスメイト「やばやば!」
ひまり「未羽にしか、言ってなかったけど、片思いしてる。」
私がみんなから目をそらすと、みんながキャーキャー騒ぎ出した。
応援するよってみんなが言ってくれて、嬉しかった。
ひまり「で、でも、ここにいない人達には内緒ね?」
クラスメイト「うん!特に、そらに!」
ひまり「うん、ありがとう」
恋を応援してもらえることはこんなにも幸せで、嬉しいことなんだ。
私はこの日、初めてみう以外のクラスの女子5人に話した。
私の恋が実りますように。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!