ひまり「そろそろ花火見る?」
未羽「色々買ったし!」
響「花火見るとこ探そうか」
宙「そーだな」
未羽と響くんは楽しそうに笑って歩いていく。
ひまり「私達も行こう、え!?」
そらくんは私の手首を握って引っ張っていく。
ひまり「ね、そらくん、なになに」
宙「来て」
そらくんに捕まえられて、私は人気のないところに連れてこられた。
ひまり「2人とはぐれちゃったじゃんか」
そらくんの隣に座って私はスマホを取り出した。
宙「2人きりになりたかった」
ひまり「え?」
宙「今日、4人で遊べて楽しかったよ。でもひまりと2人きりでも遊びたくて。」
ひまり「そうか、」
宙「そうかってw」
ひまり「あ、いや、違くて」
宙「なんだよ」
ひまり「嬉しいなって、私のこと大切なんだなって実感したっていうか、」
宙「ん、大切なんだー」
ひまり「私も、そらくんは大切な友達だよ」
私が笑って言うと、そらくんは私の手を握った。
ひまり「なに?」
宙「あのさ、ひまり」
そらくんが何かを話そうとした時。
バンッ!!!
花火が打ち上がった。
ひまり「わ、綺麗だ」
宙「めっちゃきれい」
ひまり「あれ花型じゃない?」
宙「いや、あれはハートだろ」
ひまり「ええー?ちがうよ」
宙「ここ以外と綺麗に見える。」
ひまり「うん」
私達は花火が終わるまで、空を見上げていた。
アナウンス「本日の花火大会は終了となります。忘れ物がないように確認をして、お気をつけてお帰りください。くり返します。」
ひまり「あ!未羽に電話しなきゃ」
宙「そーだ、あいつらとはぐれたんだった。」
ひまり「あんたのせいだかんね?」
そらくんは二ヒっと笑った。
ひまり「そういえば、さっき何言おうとしてたの?」
宙「んー、また今度言うよ」
そらくんは少し前を歩いていく。
ひまり「えー、気になるよ」
私はそらくんの隣に行って、2人で歩いた。
この後、未羽達と無事に会えた。
未羽「今日は楽しかった!みんなありがとう!」
ひまり「私も、楽しかった」
響「また学校でね」
宙「また行こうぜ」
みんなと別れて私は家までとぼとぼ歩いた。
最近そらくんがかっこよく見える。
話し方とか、仕草とかでドキドキしちゃう。
いつも目で追ってる。
もっと触れたいと思う。
手を繋いだり、ハグしたり、キスしたりしたいと思えるのはそらくんしかいない。
私って、宙くんに恋してるのかな。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!