第5話

六月
290
2018/07/17 08:54
梅雨に入ってから庭に行けなくなってしまった。
だから図書室で会うようになった。
この病院は子供を扱う事が多いからか、
図書室も、外にはアスレチックまでもがある。
図書室では、
一冊を二人で一緒に読むことになった。
なんとかごまかせて良かった。
ららは僕が読み終わったらページをめくってくれる。
…優しい。良い子。
からた
…ららはさ。
らら
ん?
からた
雨…好き?
らら
んー。どーだろ。からたは?
からた
僕?僕は…
突然の質問に戸惑って考え込んでしまう。
からた
僕は…好き…かな。
ららと本読めるし!
庭で話すのも良いけど、
のんびりと本を読むのも楽しいから。
らら
…そっか。
少し照れたような赤く染まった頬の彼女を
愛おしいと思ってしまう僕はおかしいのだろうか?

プリ小説オーディオドラマ