第53話

最低
557
2020/05/20 03:15
大樹side









朝、事務所に行くと黎弥が曲がり角で立ち尽くしてた。









何をしてるのか聞いても答えてくれない。









黙って悲しそうに下を向くだけだった。









角からGENEさんの楽屋前の廊下を除くと









そこにはあなたといっちゃんがいた。









一緒にいるのはいつものことだし、









黎弥だって分かってるはず。









その廊下を通って右に曲がるとファンタの楽屋。









1人でも行けたけど黎弥をこのままにはしておけなくて、









黎弥の手をとって楽屋に向かった。









あなたといっちゃんとすれ違う時、









もちろん挨拶されるわけで









樹
大樹さんおはようございます
(なまえ)
あなた
あ!大樹おはよ〜
大樹
大樹
おう、おはよ。機嫌よくない??
(なまえ)
あなた
え?そう??ま。いいことしかないしね
大樹
大樹
なになに?俺にも共有させてよ
(なまえ)
あなた
いや、今はいいや。、後でね
黎弥が居ることに気づいたあなたは気にしたのか









言うのをやめて「後で」といった。









絶対何かあったと思った。









仕事までには時間はある。









俺はあなたの手を掴んでGENEさんの楽屋に入った









(なまえ)
あなた
何してんの!?離してよ!!
涼太
涼太
ちょ、何どうしたの?
たまたま早く来ていた涼太さんにも驚かれた









そりゃそうだ。









俺が腕を掴んだくらいでここまで怒るなんて









絶対何かあった。









それだけは確信できた









大樹
大樹
ねぇ。何があったの
(なまえ)
あなた
は?なんで言わなきゃいけないの?
なにもないから
大樹
大樹
黎弥を傷つけないでくれる?
(なまえ)
あなた
っ。
大樹
大樹
大切なメンバーなんだよ。あなたは人を傷つけること1番嫌ってたじゃん。
(なまえ)
あなた
傷つけてるつもりなんてないの。
ただ私が、、。私が。、悪いの?
あなたは悲しそうに言ってた。









悲しいのは黎弥だけじゃないみたい。









何が何だか分からなくてもう一度聞き返す









大樹
大樹
どうしたの?
(なまえ)
あなた
私って、最低なの。。。
思わせぶりな態度ばっかりとって
大樹
大樹
あなた?
(なまえ)
あなた
なのに、なのに笑顔で祝ってくれた。
分かってるんだよ。私は最低。
涼太
涼太
あなた?あなたは最低なんかじゃない。
意地悪でもないし明るくて優しいよ?
(なまえ)
あなた
それがだめなの!!!
明るくて優しいのは、傷つけちゃう
明るくて優しいって凄いことだと思う、









人を笑顔にさせることができる









自分の笑顔を振りまける。









素敵なこと。









それをだめだなんて。









いつもなら笑ってるはずのあなたは









涙をこらえて呟いた









(なまえ)
あなた
樹。

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