第41話

第40話 怜菜side
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2020/10/14 15:00
約1年、一緒に居たから分かる。
怜菜
怜菜
...........紗南、何か良い事でも...あった?
集合時間ギリギリに戻って来た
親友の表情が、明るくなって居る事に。
紗南
紗南
.......んー、まあ。あったかな笑
帰りのバスに揺られながら、自分の横で微笑む彼女。
怜菜
怜菜
(.....やっぱり)
声が弾んでるもんw
その相手だって、聞かずとも分かって。
紗南
紗南
黄瀬くんがね。
今日...たくさん笑わせてくれたの
怜菜
怜菜
.......そっか。楽しかった?
紗南
紗南
すっっごく、楽しかった。申し訳ない位に
これからが大事だと言う時期に、悩み苦しんだ親友を。
怜菜
怜菜
(...悔しいけど......
黄瀬くんに任せて良かった)
私が救えなかった心を。
怜菜
怜菜
.......良かった
助けてくれてありがとう、と。
紗南
紗南
___え?
だけど、ほんの少し。
怜菜
怜菜
.......良いなぁ
彼が、羨ましくもあったけど。
紗南
紗南
..............怜菜?
怜菜
怜菜
んー?何でも無いよw
それよりもさ...高校生活も、あと少しなんだね
親友には、つい強がってしまう性分だ。
紗南
紗南
.............うん。
皆バラバラになっちゃうし...
寂しいなぁ
怜菜
怜菜
私は紗南と卒業しても会う気満々だけど?w
迫るセンター試験、大学受験。
紗南
紗南
.........っ私も。私も怜菜と遊びたい...!
これから、どんどん忙しくなって。
しばらくは、休日の娯楽ともお別れなのだろう。
怜菜
怜菜
...言ったね?
絶対あそぼ。それでさ、合格祝いしようよ
学年で集まって出かけるのも、きっと次は同窓会。
バスの窓に映る自分は、
何かに揺らいで居るようにも見える。
怜菜
怜菜
.......負けないよ
どんなに辛くても頑張れて。
紗南
紗南
......................
苦手な事にも向き合い続ける
彼女の親友として、恥じないように。
怜菜
怜菜
(私は紗南みたいに優しくないし)
いつも真っ直ぐでは居られないし、とても弱いけど。
怜菜
怜菜
(努力だけは、頑張るよ)
まだまだ自分の物語を紡いで行く私達に、翼があったなら。
どんなに傷だらけになっても、
折れない翼を私自身が手に入れられたなら。
紗南
紗南
.......怜菜なら、大丈夫
その時こそ、きっと親友に追い付ける時。
辛い事を幾度も乗り越えた先で、きっと笑ってくれて居る。
怜菜
怜菜
ありがと。
紗南に言われると、自信持てるなぁ
今の私のままでは、きっと。
辿り着くまでに何かに吹き飛ばされてしまう気がするが。
紗南
紗南
恋も勉強も学校生活も...
怜菜が居たから、楽しかったんだよ
間違った道を選んで。
怜菜
怜菜
...嬉しいこと言ってくれるじゃん
何処にも行けなくなってしまう前に。
紗南
紗南
本当の事ですから?笑
怜菜
怜菜
私も、楽しかったよ
自分を信じられるだけの、強さを。

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