今日ほど、自分のコミュ障を恨めしく思った事は無い。
.............チラッ
目すら合わせられないのに、
どうやって会話を始めれば良いのだろう。
やっぱり私は、人に話しかけて貰わなきゃダメなんだなと。
ネガティブモードになりかけた、その時。
この事態の原因でもあり。
今は救世主の親友が、ようやく我を取り戻したらしく。
私の肩越しに、黄瀬くんに向かって話しかけ始めた。
そのテンションに、若干警戒気味の彼。
相手の反応などお構い無しに。
グイグイ行くタイプの玲奈は、単刀直入に言った。
何回も見て来た、似たような光景。
瞬殺されても、他の方法が思い付かないらしい。
だから毎回、私がアドバイスをしている。
これくらいしか出来ないし、
もっと言えば迷惑がられているかもしれないけど。
少しでも役に立ちたくて、やめられない。
私の助言に頷いてくれた玲奈は、再び黄瀬くんに向き直り。
自己紹介を始めた。
何とも玲奈らしい、元気な挨拶。
私は彼女のこの挨拶が、結構好きだったりする。
2人が仲良くなっている光景を、
微笑ましく思いながら眺めていると。
玲奈が改めて、私の代わりにLINE交換を頼んでくれて。
今度は快く頷いてくれた黄瀬くんだったけど。
交換条件にしても良いですか?と笑った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。