第25話

第24話
1,266
2020/06/01 15:00
文字を入力する手がプルプルと震える。
書いては消すを何度も繰り返し、ようやく書き上げて。
紗南
紗南
えと...こんな感じで良いのかな...
彼が遠慮しないように、お礼をしたい旨を伝えたのだが。
紗南
紗南
何も要らないって言われたら、どうしよう...
早速ネガティブになって居た。
スマホを机の上に置いて、ソワソワしながら返信を待つ。
紗南
紗南
(まだかな...まだかな.....)
気を紛らわす為、大好きな読書を始めようとした所で。
____ ♬︎
紗南
紗南
(来たっ!!)
スマホがメッセージアプリからの受信を伝える。
そっとトークルームを開くと。
紗南
紗南
.....勉、強?
『定期テストが近いので、勉強を教えて欲しい』との事。
少し、拍子抜けしてしまった。
紗南
紗南
こんな事で良いのかな...
私の唯一の特技と言っても過言では無い、勉強。
教える自体は構わないのだが、『楽』なのだ。
紗南
紗南
何か、こう...無理難題を覚悟してたからな...笑
彼の真面目な性格が出てるな、なんて1人笑って。
紗南
紗南
『もちろんだよ!』...っと
普段なら絶対に使わない猫のスタンプを付けて送る。
すぐに既読は付いて。
紗南
紗南
(あ、このスタンプ好きかも)
『ありがとうございます』と笑う
ハムスターのスタンプに、頬が緩んだ。
誰かと話す事に緊張しなかった事もシンプルに嬉しくて。
紗南
紗南
(こんなの、玲奈以来かも)
ホワホワとした気分で日程を組む。
紗南
紗南
『今週の日曜日は空いてる?』
今日は水曜日だから、勉強会は4日後。
瓏登
瓏登
『あ、空いてます!何時からにしますか?』
いつもは、慣れない人と会う予定がある時。
憂鬱な気分になるのに。
紗南
紗南
『お昼ご飯食べてから行くから...
13時でどうかな?』
凄くワクワクして、日曜日が待ち遠しかった。
瓏登
瓏登
『了解です!楽しみにしてますね!』
瓏登
瓏登
『おやすみなさい!』
紗南
紗南
『おやすみ!』
やり取りを終えて、スマホを充電器に繋ぐ。
紗南
紗南
(気が合う...からだと良いなぁ笑)
淡い期待を抱きながら、部屋の明かりを暗くして。
紗南
紗南
(明日、玲奈に報告...かな)
全身を包む眠気に任せ、意識をシャットアウトした。
............................。
怜菜
怜菜
え、勉強会?どこでやるの、それ
まさか、こんなに大きな反応をされるとは思わなくて。
紗南
紗南
.....聞いてない...聞いた方が良かったかな?
パチパチと目を瞬かせる。
怜菜
怜菜
はああぁあ!?お家とかだったらどーするの!
もちろん、玲奈の言う事も一理あるのだけど。
紗南
紗南
玲奈。声、声が大きい.....
やっぱり周りの人は気になる訳で。
怜菜
怜菜
あっ、ごめん
声のボリュームを少し落として貰って、話を続ける。
紗南
紗南
図書館...とかでやるんじゃない?
付き合っても無いんだから.......
...玲奈では無い、誰かの視線が。
怜菜
怜菜
私も、そんな子じゃないって知ってるけどねw
紗南
紗南
分かってるんじゃん...笑
(何か...見られてる?)
鋭くなった気がした。

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