第8話

ターミナル
57
2020/04/10 11:29
息遣いはもう雪の下、灰色だった
つまらない気持ちを振りよけて、かき消していた
きみのイメージはもうモヤがかり、固定された
吐き出しかけの声がいつか、喉につまった
「約束だよ」「いつかそのうち」なんてはぐらかしていた
頭の中でほうむった君の音が、明け方眠れない僕を刺す
取りこぼしかけた稚拙な愛が、一つ一つ滲んでいって
世界の終わりがまた、欲しくなる
きっと、きっと、きっと、殺してくれよ
目次もあとがきもないのに、しおりをとった
心臓みたいにうごめいた、拳をとった
あの時僕が浮き足立ったのは、君のせいだった
同じだけで、何の変哲もない日暮だった
嘲笑うみたいな斜陽が、落ちぬまま差し込み続け
憂った僕らの顔を照らしてた、もっとちゃんと焼き付けて
不完全な球になって進めなくなった、もっと言葉が欲しい
うつらなままいたい、消耗しかない今日を許せなくても
どうか、どうか、そらさないでいて
あとどれくらい日々を潰そう
失望の振り、何もいらない
君の言葉に僕は苛立つ
名前を呼ばないで、もう置いていかないで
曲:ぬゆり様

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