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2020/06/25

第26話

*26 お送りするのは悪魔の悪戯


 また朝がやってきた。麗綺の憂鬱な気持ちは晴れぬまま太陽はまた日本の空に戻ってきた。
不知火 慎介
不知火 慎介
おはよう、麗綺ちゃん。
不知火 麗綺
不知火 麗綺
おはようございます。
不知火 透
不知火 透
…、ご馳走様。
不知火 慎介
不知火 慎介
もういいのか?
不知火 透
不知火 透
…。


 麗綺と透はあれからほぼしゃべっていなかった。慎介もそれを察していた。千歌子は友人と出かけたため、家にいないが。
不知火 慎介
不知火 慎介
透があんなになったの、初めてだな。
不知火 麗綺
不知火 麗綺
そうなんですか、
不知火 慎介
不知火 慎介
あれでも溜め込む性格だから。多分、俺の事好きじゃないんだよ。
不知火 慎介
不知火 慎介
でも元気になるのは早いから気にしないでね。
不知火 麗綺
不知火 麗綺
はい。


 気がかりだった。朝の麗綺の感情はそれだけだった。でもその時から悪い予感はしていたはず。それを無視してしまったのがギルティだろう。





不知火 麗綺
不知火 麗綺
行ってきます。
 不知火家を出た。
 麗綺は少し後悔していた。あの約束…契約を交わしてから何かと面倒なことが起こる。もしあの時、出会っていなければ。話していなければ。こんなにものびのびと過ごすことは出来なかったのかもしれない。

 でも愛奈からの嫉妬も嫌がらせも言ってしまえば透のせいだ。だからと言って責めるつもりはない。自分にだって非がある。でも今は憎いとしか感じることができない。
 笑えてくる。自己嫌悪感。
不知火 麗綺
不知火 麗綺
透は…なんであんなに眩しいんだろう。


 生まれて来た時から人間の価値って決まっているのだろうか。その価値は誰が決めるんだろう。

 環境だろうか。暗い部屋で育てられるもやしやホワイトアスパラガスのように存在が薄くなる。明るい太陽を浴びた蜜柑はおいしい。

 お金だろうか。金を持っていれば権力だって物だって。下手すれば人間だって変えてしまう。金で人を動かすことはそこまで大変ではないし。

 友達だろうか。ホタルは何十匹と集まると100万ドルの夜景のようになるだろう。でも1匹だとロウソクレベルだ。手元も照らせない。

 やっぱり大人だろうか。親が親なら子も子という言葉を聞く。それが本当ならば麗綺もいつか千歌子のようになってしまうのかもしれない。
不知火 麗綺
不知火 麗綺
どっちにしろ、


 人間は変われないんだろうな。服を変えても、物を捨てても、整形しても、愛している人と一線を超えても。自分が自分である事は変わらない。
 
福本 愛奈
福本 愛奈
あっ、底辺だ。
佐野 麗綺
佐野 麗綺
っ、…福本。
福本 愛奈
福本 愛奈
透待ってたのにぃ。
…あんたが来るとは今日は運悪いなぁ。
佐野 麗綺
佐野 麗綺
私もだよ。
福本 愛奈
福本 愛奈
もうちょっと待ってよっかな、
佐野 麗綺
佐野 麗綺
勝手にすれば?



 もうとっくに行ってしまったけど。
 その言葉は添えずに麗綺は学校へと向かおうとした。
福本 愛奈
福本 愛奈
いらないよ、私には。かぁ。
佐野 麗綺
佐野 麗綺
っ…。
福本 愛奈
福本 愛奈
透となんか関係持ってんなら今すぐ切ってね。


 その言葉は12月の気温よりも冷たい言葉で。愛奈はそう言って麗綺の背中を押した。その意味は応援ではなく、コケてくれという願望なのかもしれない。



 麗綺が学校についてから空気がざわめいているなに気がつく。しかし、気にせずに教室の一番後ろ。自分の席に座ろうとした。
佐野 麗綺
佐野 麗綺
っ!?



 机の上に油性マジックで書かれていたのは、

















 キ エ ロ 、 サ ノ マ キ












 普段あまり使わないカタカナで
 デカデカと書かれていた文字に麗綺は息をのみ、何故か透を見てしまった。















 さあ、お送りするのは悪魔の悪戯。